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永原悠路に突き付けられた「現在地」、五輪15位と「国際大会優勝」…Xゲームズは「メダルへの挑戦」

読売新聞 / 2024年9月6日 9時0分

2023年の「Xゲームズ」千葉大会に出場した永原悠路

 アクションスポーツの祭典「X Games Chiba 2024」(Xゲームズ千葉大会)が千葉市の幕張メッセで9月20~22日に開かれる。スケートボード男子パークに臨むのが永原 悠路 ゆうろ(19)(太陽ホールディングス)だ。まだ五輪で唯一、日本勢が表彰台に登れていない種目にあって、「日本男子が活躍できていない状況を変えていかないといけない。自分ならできる」。日本男子パーク界の旗手の懸ける思いは強い。(大阪運動部 井上敬雄)

五輪で得た経験

 パリ五輪は予選敗退と悔しさを残した。予選のラン1本目から「キックフリップ・ボディーバリアル・540(ファイブフォーティー)」を成功。空中で体を1回転半させながら、板を1回転させる世界屈指の高難度トリックを決めた。ただ、その後はコースの縁での技でバランスを崩し、本来の構成を変更せざるを得なかった。何とか踏ん張って滑りきったものの点数は伸びず、2、3本目はミスが続いた。

 15位。自身が置かれた現在地が示されたと言っていい。永原は「きれいに決めきってこその大技。全部出し切って、どれだけ戦えたのか知りたかった」と唇をかむしかなかった。

 初の大舞台では不完全燃焼に終わったが、19歳にして日本男子が踏み入れたことのない道を歩んできた経験は今後に生きるはずだ。長野県白馬村出身。冬季競技が盛んな地域で夏季競技を選び、小学生時代から頭角を現した。2021年夏には「目の前が真っ暗になった」という右 大腿 (だいたい)骨開放骨折で全治約6か月の重傷を負いながら復活し、22年に日本選手権で初優勝。23年の世界選手権では日本勢初の決勝進出(7位)と、この3年間で大きく飛躍した。

 生活習慣や食事も見直した。軽さを維持しつつ必要な筋力をつけるため、昨年末にはインドネシアやフィリピンに渡ってサーフィンで体幹や上半身を鍛えるなど他競技のトレーニングも積極的に取り入れてきた。「確実に筋肉をまとった体を変えていかないと上にはいけない。サーフィンは一瞬一瞬が勝負で、1秒でも遅れを取っちゃいけないスポーツでもあり、メンタルトレーニングにもなった」と言う。新たな取り組みへの手応えは確かにある。

足りていないのは「経験値」

 今、最大の課題は「大会の経験値が圧倒的に足りていない」こと。コースの設計もはやり廃りがある中で、競技の本流を歩むには「海外に行ってトップと同じ空気を吸いながら練習しないといけない」。今後は武者修行もより活発に行う青写真を描く。

 同時に、現状でも「実力的には足りてないわけではない。力を発揮できれば世界とも全然戦える」との思いは揺らいでいない。その言葉を証明するのが今大会となる。「小さい頃から見ていて、やっぱり憧れの舞台。憧れの選手も出ていた。今、自分が出る側になって憧れられる存在にならないといけない」と誓う。

 2022年のXゲームズ千葉大会では4位となり、表彰台まであと一歩に迫った。今回は途中で切られたような変則的なコース設定となっているが、「発想力が必要になる。パークをうまく利用した使い方をできれば」と意欲をかき立てられている。「もちろんメダルへの挑戦はする。それ以上に世界のトップスケーターと一緒に滑れることに感謝して、自分の滑りを出し切れれば」

 そう話した直後の8月末、米オレゴン州で行われた「ROCKSTAR ENERGY OPEN」では主要な国際大会で初優勝を飾った。何よりも評価されるのは、東京、パリと五輪連覇を果たしたキーガン・パーマー(豪)、パリ五輪銀メダルのトム・シャー(米)らを抑えての快挙だった点だ。SNSには「間違いなく人生で最も最高の瞬間だった」と記した。世界トップと十分に渡り合える。そんな確信を持って自国開催の大舞台に挑む。

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