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双子の出生届出す間にガザの自宅に砲撃、買ったベビー服を着させられず…父「なぜ罪のない妻と赤ん坊が殺害されるのか」

読売新聞 / 2024年9月4日 17時18分

ガザ中部ディール・アルバラハで、双子の出生届けを手に悲嘆に暮れるムハンマド・クムサンさん(8月15日)=本紙通信員撮影

 【エルサレム=福島利之】パレスチナ自治区ガザの中部ディール・アルバラハで8月、生後3日となった双子の出生届を提出するために父親が外出した際、自宅がイスラエル軍に砲撃され、双子と母親が死亡する悲劇があった。父親のムハンマド・クムサンさん(33)は悲嘆に暮れている。

 クムサンさんは8月13日朝、自宅から地元の病院に向かった。出生届を早く提出し、双子の男女をアシルちゃんとアイセルちゃんと名付けた妻ジュマナさん(29)を喜ばせたかった。証明書を受け取り病院を出ると、近隣住民から「家が砲撃を受け、家族が病院に運ばれた」と電話で知らされた。再び病院に戻り、家族の遺体と対面した。

 戦車の砲弾は自宅が入る建物5階を直撃した。帝王切開での出産直後でベッドで安静にしていた妻と双子に加え、義母の命が奪われた。

 昨年7月に結婚したクムサンさんは、ガザで戦闘が始まった5日後の同10月12日に新婚旅行に出かける予定だったが、イスラエル軍にガザ市の家から退避を命じられ、最南部ラファに避難した。妊娠が判明したのはその頃だ。南部ハンユニスでのテント暮らしを経て、ようやく借りることができたのがディール・アルバラハの家だった。

 クムサンさんは双子の誕生に合わせ、ベビー服を買ったが、着用させる機会は一度もなかった。本紙通信員の取材に「こんな悲劇になるなら子どもが生まれない方がよかった」と嘆いた。国際刑事裁判所(ICC)に訴えたいと考えているといい、「なぜ罪のない妻と赤ん坊が殺害されなくてはいけないのか」と訴えた。

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