イスラエル、ラファとエジプトの境界「フィラデルフィア回廊」付近からの撤退に同意…実際の進展は不透明

イスラエルのネタニヤフ首相

　【エルサレム＝福島利之】パレスチナ自治区ガザでの戦闘停止と人質解放の交渉を巡り、米国のジョン・カービー大統領補佐官は３日、イスラエルが、ガザ最南部ラファとエジプトの境界「フィラデルフィア回廊」付近の人口密集地帯から軍を撤退させることに同意したと記者団に述べた。

　米ホワイトハウスの発表によると、カービー氏は、交渉の合意は可能だとの認識を示した。ただし、人口の少ない場所からのイスラエル軍撤退には言及しなかった。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は２日の記者会見で、回廊への軍駐留に固執する姿勢を強調しており、交渉が実際に進展するかどうかは見通せない。

　イスラエル国内では、回廊への軍駐留にこだわるネタニヤフ氏の姿勢に対し、批判が高まっている。６月に戦時内閣から離脱した野党党首ベニー・ガンツ前国防相は３日の記者会見で、「回廊はイスラエルの存在を脅かすものではない」と語った。