数少ないチャンスに勝負を託された巨人の代打・坂本、遊ゴロに「ああいうところで打ちたかった」
読売新聞 / 2024年9月5日 6時0分
ヤクルト3―0巨人(セ・リーグ=4日)――ヤクルトがカード勝ち越し。四回にオスナの2ランで先行し、八回に中村の適時打で加点。吉村は無四球でプロ初完投初完封。巨人は終盤の好機を生かせず。
九回は安打を重ね、粘りは見せた。しかし、最後は途中出場の泉口が遊ゴロに打ち取られ、京セラドームの巨人ファンから、ため息が漏れた。「完敗だな。チャンスもそんなに作れなかった」と阿部監督。2年目の吉村にプロ初完封を許し、最下位ヤクルトに連敗を喫した。
2点ビハインドで迎えた七回、二死一塁で監督は動いた。岸田への代打に秋広を送ると内野安打で出塁。一、二塁となって初めて得点圏に走者が進んだ。続く門脇には代打・坂本。しかし、初球のカットボールでかわされて遊ゴロに。勝負を託された坂本は、「ああいうところで打ちたかった」と打ち損じを悔しがった。
150キロ台半ばに達する直球をテンポ良く投げ込まれた上、鋭く変化するカットボールや110キロ台のカーブを効果的に使われ、巨人打線は的を絞り込めなかった。4打数無安打に終わったモンテスは「制球が良く、芯を外された」と相手右腕の変化を感じ取った。
8月27日、吉村との前回対戦では、モンテス、岡本和の連続二塁打と吉川の適時打で初回に3点を挙げて主導権を握り、4回で降板させていた。ヤクルトバッテリーは反省点を洗い出し、「原点に戻ろう」と武器の直球を磨くことに立ち返ったという。その上で、吉村は「どうやって抑えるか話し合い、今回はうまくはまった」と振り返った。
「まっすぐが多く、しっかり投げきられた。相手が対策を練ってきた」と吉川。対戦数が増え、データも積み上がるシーズン終盤は、相手の対策をいかに上回るかが勝敗を左右する。首脳陣、選手を支えるスタッフを含むチームの総力が試されている。(平山一有)
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