総裁選出馬表明の小泉進次郎氏、政治改革と規制改革は「１年で実現」…立候補過去最多の６人に

記者会見で自民党総裁選への出馬を表明する小泉進次郎・元環境相（６日、東京都内で）＝池谷美帆撮影

　自民党の小泉進次郎・元環境相（４３）は６日午前、東京都内で記者会見し、党総裁選（１２日告示、２７日投開票）への立候補を表明した。国民からの信頼回復に向けて政治・規制改革を１年以内に断行する考えを示した。首相就任後は早期に衆院解散・総選挙に踏み切り、改革案について国民に信を問う考えだ。

　総裁選への出馬表明は小泉氏で６人目。立候補に推薦人が必要となった１９７２年以降で最多となる。

　小泉氏は記者会見で「自民党が真に変わるには、改革を唱えるリーダーではなく、改革を圧倒的に加速できるリーダーを選ぶことだ」と述べ、政治改革と規制改革などの具体策を１年で実現すると強調した。

　政治改革では、「政治とカネ」の問題に象徴される「古い自民党と決別する」として、政党が所属議員に支出する「政策活動費」の廃止のほか、調査研究広報滞在費（旧文書通信交通滞在費）の使途公開と残金の国庫返納を打ち出した。

　派閥の政治資金規正法違反事件に関与した国会議員を選挙で公認するかどうかについては地方組織や地元有権者の意見を踏まえた上で厳正に判断するとした。政治資金透明化と党改革に加えて国会改革を「三位一体」で進めるとした。

　「聖域なき規制改革」では、労働市場改革の断行を掲げた。解雇規制の見直しで人材の流動化を促すほか、「年収の壁」撤廃に向けて働く人すべてに原則として厚生年金を適用するとした。選択的夫婦別姓を認める法案の国会提出も掲げた。

　中長期的な政策として、自衛隊の根拠規定を憲法に明記するなどの改憲に取り組む考えを示した。北朝鮮の 金正恩 （キムジョンウン）朝鮮労働党総書記との首脳会談も模索する。

　小泉氏は衆院神奈川１１区選出で当選５回。総裁選への出馬は初となる。

　総裁選にはこれまで、小林鷹之・前経済安全保障相（４９）、石破茂・元幹事長（６７）、河野太郎デジタル相（６１）、林芳正官房長官（６３）、茂木敏充幹事長（６８）が立候補を表明している。

　一方、高市早苗経済安保相（６３）は９日、加藤勝信・元官房長官（６８）は１０日にそれぞれ出馬表明する予定だ。