日本が国際手配の反捕鯨活動家ワトソン容疑者、グリーンランドで拘留長期化…引き渡し要請を慎重検討か

ワトソン容疑者＝ＡＦＰ時事

　【ロンドン＝蒔田一彦】デンマーク自治領グリーンランドで７月に拘束された反捕鯨活動家ポール・ワトソン容疑者の勾留が長期化している。日本の身柄引き渡し要請に応じるかどうか、デンマーク司法省は慎重に検討している模様だ。

　ＡＰ通信によると、グリーンランドの裁判所は４日、ワトソン容疑者の勾留を１０月２日まで延長することを決めた。勾留延長は２度目だ。反捕鯨団体シー・シェパードの創設者であるワトソン容疑者の拘束後、支持者らは米欧各地で抗議活動を行い、日本の商業捕鯨や司法制度にも批判の矛先を向けている。一部の著名人が賛同する動きもある。

　ワトソン容疑者はＡＦＰ通信の取材に対し、日本の司法制度を非難した上で、「デンマークは人権尊重を声高に唱える国であり、私の身柄を引き渡すことはできない」と主張した。

　ワトソン容疑者は７月、日本の商業捕鯨を妨害しようと船で北太平洋へ向かう途中、グリーンランドで警察に拘束された。日本の調査捕鯨に対する妨害行為を繰り返し、日本の海上保安庁が２０１０年に傷害容疑などで国際刑事警察機構（ＩＣＰＯ）を通じて国際手配した。