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ゴールボール男子「冬の時代」知るコーチ、延長で技巧派選手を起用の「勝負手」ズバリ

読売新聞 / 2024年9月6日 20時26分

ゴールボール男子で金メダルに輝き、日の丸を掲げて喜ぶ日本チーム(5日、パリで)=木佐貫冬星撮影

 5日に行われたパリパラリンピックのゴールボール男子決勝で、日本が延長戦の末にウクライナを4―3で破り、金メダルに輝いた。日本はこれまで、女子が2012年ロンドン大会での「金」など3個のメダルを獲得していたが、男子がメダルを取ったのは初めて。3―3で突入したゴールデンゴール方式の延長戦で、佐野優人(日本国土開発)が決勝点を決めた。

 ゴールデンゴール方式の延長戦を制し、初めてパラリンピックで頂点をつかんだ男子代表。自身もかつて日本代表としてプレーした工藤力也ヘッドコーチは、これまで3度メダルを手にしている女子と常に比較をされてきた男子の「冬の時代」を知る一人だ。「現実なのか夢なのかよく分からない。ようやく女子に追いついたのかな」と語った。

 指揮官が勝負手を打ったのは3―3で迎えた延長戦。開始のタイミングでコートに送り出したのは、得点力のある金子和也(Sky)ではなく佐野。パワーや速さで得点を奪うタイプでなく、助走に変化を加えたり、独特の間合いでシュートを放ったりする技巧派タイプだ。

 試合を通じて、ウクライナの守備陣が佐野の動きやシュートを嫌がっていると見抜いた工藤ヘッドコーチが、ベンチに下がっていた佐野の起用を決断。延長に入って1分が過ぎたころ、「自分の自信のあるボールを投げ返そう」と念じて投じた佐野の一球にウクライナの守備のタイミングが合わず、はずんだボールがゴールへと吸い込まれた。冷静に勝負所を見極めた采配と技術で期待に応えた選手。これらが一体となったからこそ生まれたゴールだった。

 劇的な勝利が決まると日本の選手たちはコートに伏せたり、跳びはねたりするなど思い思いに喜びを爆発させ、しばらく世界一の余韻に浸っていた。(畔川吉永)

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