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国枝慎吾さんの指導受け「テンポ」「速さ」磨く…上地結衣が4度目パラで涙の「金」

読売新聞 / 2024年9月7日 5時37分

車いすテニス女子シングルスで金メダルを獲得し、日の丸を掲げる上地結衣(6日、パリで)=須藤菜々子撮影

 6日に行われたパリパラリンピックの車いすテニス女子シングルス決勝で、上地結衣(三井住友銀行)が、連覇を狙ったディーデ・デフロート(オランダ)を4―6、6―3、6―4で下し、初の頂点に立った。前日の女子ダブルスに続き、オランダ勢の9連覇を阻んだ。

 勝利の瞬間に顔を覆って泣き、金メダルをもらった表彰式でも感極まった。上地が日本女子初の単複2冠。絶対王者のデフロートを破り、「諦めず最後まで戦えた。諦めなかったからこそ好機がきて、それをものにできた」と喜びに浸った。

 第1セットは最後に5ゲームを連取されて落としたが、第2セットは前後に揺さぶるなど工夫を凝らして奪取。最終セットはリターンで攻めるなど強気の姿勢を崩さず、6―4で振り切った。

 3年前の東京大会はデフロートに敗れて銀。当時は「速さについていけず自分がどこにいるか分からない時間帯があった」という完敗だった。時間を作り、精度良く弱点をつくのが持ち味。しかし、この3年は東京大会で必要性を痛感した展開の速いテニスを磨いた。

 昨年引退したレジェンドの国枝慎吾さんにも指導を仰ぎ、テンポを変えるタイミングや「間」は一緒に打ち合う中で吸収した。車いすは軽量化し、長くタイヤに触れてこげるように座面を下げるなど、より体と一体化させた機動力も求めた。「やっておけばよかったと後悔しないように」と新たな取り組みを次々と試し、「球の打ち方も車いすの乗り方も分からなかった頃の感覚みたい」と挑戦を楽しみながら腕を磨いた。

 デフロートは今年7月のツアーで勝利するまで約3年半も勝てなかった強敵だが、この大舞台でも勝利を譲らなかった。「この3年は3年とは思えない内容の濃さがある」と上地。ロンドンはメダルを取れず、リオは銅、東京は銀メダル。一歩ずつ歩を進め、ついに頂点まで上り詰めた。(森井智史)

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