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自民党総裁選 重要政策の論点も見えてきた

読売新聞 / 2024年9月7日 5時0分

 政権与党で積み重ねてきた議論を、根底から覆すかのような主張は無責任ではないか。現状を顧みない改革案にも首をかしげたくなる。

 次の自民党総裁として首相を担うつもりなら、世論におもねることなく、かつ、大局を見据えた政策を提示すべきだ。

 総裁選には今週、林官房長官、茂木幹事長、小泉元環境相の3氏が出馬を表明した。これで候補は計6人となり、過去最多となるのは確実だ。週明けには高市経済安全保障相や加藤元官房長官らも立候補表明を予定している。

 総裁選の候補からは、岸田内閣の政策を転換すべきだといった意見も出ている。

 茂木氏は、年1%の経済成長が実現すれば、税収が1・4兆円増えるとして「防衛増税は不要だ」と述べた。政府・与党は防衛力強化のため、法人、所得、たばこの3税を増税し、年1兆円の財源を確保することを決めている。

 茂木氏は、防衛増税を決めた当時も幹事長として政権の中枢にいた。今になって増税不要論を唱えることには、党内でも疑問視する向きが多い。

 小泉氏は、解雇規制を緩和する考えを示した。企業が不要な人員を整理しやすくし、従業員は転職しやすくする狙いがある。

 欧米では、規制緩和による新自由主義的な政策が、格差の拡大につながったとの批判がある。こうした弊害が日本で生じないと考えるのか。その根拠は何か。経済社会に大きな変動を与えるテーマだけに、十分な議論が必要だ。

 総裁選では多様な政策を論じることになる。候補者同士が矛盾や疑問を指摘し合い、どの候補の政策が信頼に値するか、国民が理解できるようにせねばならない。

 自民党内では、次期衆院選を見据え、国民的な人気や歯切れの良さで新総裁を選ぼうとする議員が増えている。だが、新総裁は次期政権を担うことになる以上、それだけでは不十分だ。

 各候補の政策がもたらす効果や影響を真剣に議論し、政策の対立軸を見極めるべきだ。そうした政策論争が、新政権の性格を決定付けることになるだろう。

 河野デジタル相は、年末調整を廃止し、マイナンバーカードを活用して会社員なども確定申告を行うことを提案している。

 河野氏は一昨年、紙の保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化する方針を唐突に表明し、混乱を招いている。性急な改革に国民の理解は得られまい。

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