無人偵察機が北海道の牧草地に墜落、陸上自衛隊は公表せず…現在は訓練を中止

墜落した無人偵察機「スキャンイーグル２」の同型機（陸自第５旅団提供）

　陸上自衛隊第５旅団（北海道帯広市）の無人偵察機が７月、飛行訓練中に士幌町内の牧草地に墜落していたことが分かった。同旅団は事故当日に町や警察、牧草地の所有者らに報告したが、公表していなかった。現在は無人偵察機を使った訓練を中止している。

　事故を起こしたのは、災害発生時に被災地の情報収集などに使う「スキャンイーグル２」（全長１・７メートル、両翼幅３・１メートル、重さ２６・５キロ）。同旅団によると、７月１日に然別演習場（鹿追町）で事前にプログラミングした経路を飛行する訓練を行っていたところ、午後０時３５分頃に通信が途絶え、その約３５分後に演習場の境界から約８０メートル離れた民間の牧草地に墜落しているのが見つかった。けが人はなかった。

　機体の異常は確認されておらず、同旅団第５情報隊長の鈴木弘幸２等陸佐は「原因を究明して再発防止に努める」とコメント。当時は風速１１メートルのやや強い風が吹いていたという。