３７歳鈴木孝幸、「アジア新」締めでメダル４個…「これ以上を望んだらバチ当たる」

男子５０メートル自由形で銀メダルを獲得した鈴木孝幸（６日）＝木佐貫冬星撮影

　６日に行われたパリパラリンピックの競泳男子１００メートルバタフライ（視覚障害Ｓ１１）決勝で、木村敬一（東京ガス）がパラリンピック新記録の１分０秒９０で金メダルに輝いた。５０メートル自由形と合わせて２冠。富田宇宙（ＥＹ　Ｊａｐａｎ）も１分３秒８９で銅メダルを獲得した。男子５０メートル自由形（運動機能障害Ｓ４）決勝で、鈴木孝幸（ゴールドウイン）がアジア新記録の３６秒８５で銀メダル。今大会４個目（金１、銀２、銅１）、パラ通算で１４個目のメダルとなった。

　「競技会なので勝つことが重要」と語る鈴木が最後のレースでも表彰台に上った。個人４種目目の男子５０メートル自由形で自己ベストを塗り替え、今大会４個目のメダルとなる銀を獲得。「東京大会に続いて個人種目の全てでメダルが取れたのは喜ばしいこと。タイムもアジア新記録。これ以上を望んだらバチが当たるな」と満足そうに語った。

　予選を含めると今大会９レース目。３７歳となり、「疲れが取れるのは遅くなっている」と苦笑するが、試合に合わせる調整力はさすがのベテラン。疲労を感じさせない泳ぎで終盤に上位へ浮上し、最後はタッチ差で２位に滑り込んだ。

　６大会連続出場となったパラリンピックで獲得したメダルは通算１４個に。「他の競技を見る感覚でパラを見てほしいし、その時に盛り上がるのはメダルのシーン。見ていろいろ感じてくれる人が増えてくれたら」。最後までメダルに絡み、アスリートとしての意地を見せた。（森井智史）