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3種目メダルなく「日本に帰りたい」…ぜんそくから回復した杉浦佳子、最後に「ロードの女王」の意地

読売新聞 / 2024年9月8日 7時40分

自転車女子個人ロードレースで金メダルを獲得した杉浦佳子(7日、サンドニで)=古厩正樹撮影

 パリパラリンピックは7日、自転車の女子個人ロードレース(運動機能障害C1~3)で、杉浦佳子(総合メディカル)が1時間38分48秒で東京大会に続いて金メダルを獲得した。男子個人ロードレース(運動機能障害C1~3)では、藤田征樹(藤建設)が1時間56分13秒で15位、川本翔大(大和産業)は1時間58分7秒で20位だった。

 複数メダルを期待されていた杉浦が出場最終種目となった女子個人ロードレースで優勝。土壇場で「ロードの女王」が意地を見せた。

 50歳で臨んだ前回東京大会では得意のロード2種目で日本選手史上最年長となる金メダルを手にした。進化を遂げるため、この3年間、日本代表チームの高地トレーニングや冬季の沖縄合宿などでロードとトラックの両種目を年間を通じてバランス良く強化。昨年のトラック世界選手権では優勝を飾り、「東京で取れなかったトラックでのメダルが目標」と意気揚々とパリ大会に臨んだ。

 ところが、大会直前、ぜんそくの症状に陥り、トラック2種目は予選で敗退。大会前、日本代表の沼部早紀子ヘッドコーチは「数々の海外遠征を経験してもパラリンピックは特別な大会。気持ちや体調はなかなかフラットに保ちにくい」と漏らしていたが、不安が現実となった。「日本に帰りたい」――。弱気になったこともあったが、杉浦は懸命に体調を回復させた。

 連覇を狙った3日前の女子個人ロードタイムトライアルでも6位に終わり、この日、悔いなく大会を終えようと最後のレースを迎えた。テクニカルなコースでのせめぎ合いでは「他の選手に脚を使わせつつ」、自分は終盤までしっかりと力をためた。コーナーを回って最後のスプリント勝負。競り合いを制したのが53歳の杉浦だった。視線の先には3年前の東京大会とは一味違う歓喜のフィニッシュが待っていた。(塚本康平)

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