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「金じゃなければ即刻引退」と臨んだ杉浦佳子、最後の種目で優勝…53歳がスプリント勝負制す

読売新聞 / 2024年9月7日 22時7分

自転車女子個人ロードレースで優勝した杉浦佳子(7日)=古厩正樹撮影

 パリパラリンピックは7日、自転車の女子個人ロードレース(運動機能障害C1~3)が行われ、杉浦佳子(53)(総合メディカル)が1時間38分48秒で金メダルを獲得した。「金メダルを取れなかったら即刻引退」と臨んだ今大会最後のレース。「本当にきつかったけど、これでみんなに喜んでもらえるかな」と晴れやかな表情を見せた。(デジタル編集部 池田亮)

 女子のロードは、14・2キロの一般道のコースを4周。56・8キロで着順を争った。杉浦は序盤から先頭集団に入り、中盤以降、6選手が先頭集団を作ると時折、先頭を引っ張る形でレースを優位に進めた。レースが動いたのは終盤。ゴール直前の上り坂で杉浦がスパートをかけ、2選手を振るい落とすとラスト200メートルのスプリント勝負で他の選手を振り切った。

 杉浦は2016年に自転車レース中に転倒し、高次脳機能障害が残った。初出場だった東京大会に続き、この種目で2連覇を達成。東京大会で50歳の時に獲得した金メダルが、日本選手のパラリンピック最年長金メダル記録だったが、パリでその記録を自ら53歳に塗り替えた。

 大会直前にぜんそくの症状が表れ、今大会は体調不良に悩まされた。トラックは2種目で予選敗退し、「ここまで(練習に)付き合ってもらった時間をどうお返ししたらいいのか」と苦悩していた。それでも日々の練習メニューを一つずつこなすことで「しっかり練習すれば大丈夫」と言い聞かせ、気持ちを切り替えて最後のレースに臨んだ。

 ゴール直前のスプリント勝負は「自信はなかった」と振り返った杉浦。それだけにトップでゴールをして「信じられなかった」と驚いた表情を見せた。それまで「メダルは取れないだろうな」「ここにいていいのだろうか」と思っていた分、観客席で歓喜に揺れる「日の丸」を見て自然と涙がこぼれた。

 「これでみんなに喜んでもらえるかな」と肩の荷を下ろした杉浦に、最後に勝利の女神がほほえんだ。

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