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立民代表選告示 現実的な政策を確立できるか

読売新聞 / 2024年9月8日 5時0分

 立憲民主党が自民、公明両党に代わる選択肢になり得ていないのは、基本政策に関する意見集約ができておらず、どんな社会を目指しているのか判然としないからだ。

 代表選を通じ、現実的で説得力のある政策を提案できるかどうかが党の浮沈を左右しよう。

 立民の代表選に、現職の泉健太、前代表の枝野幸男、民主党政権時代に首相を務めた野田佳彦、衆院当選1回の吉田晴美の4氏が立候補した。23日の臨時党大会で、次期代表を選出する。

 読売新聞社の先月の世論調査では、立民の支持率は6%で、自民の30%を大きく下回っている。

 派閥の「裏金」事件で自民が信頼を失っているのに、立民の支持率が上向かないのは、原子力発電を含むエネルギーや安全保障などの基本政策が固まっていないことが影響しているのではないか。

 立民は党綱領で、将来の「原発ゼロ社会」を掲げる一方、それまで電力需要をどう賄うかは曖昧にしている。原発の再稼働についても明確な方針を示していない。

 防衛力強化の必要性は認めているが、増額する防衛費の財源に充てる増税には反対し、歳出改革で捻出するという。

 各候補の主張も、抽象的だと言わざるを得ない。

 日本記者クラブでの討論会では、4人とも再生可能エネルギーを拡大させて原発への依存度を下げる考えを強調したが、具体的な方法は示さなかった。防衛費の財源についても言及していない。

 当たり障りのないお題目を並べるだけでは意味がない。各候補は論戦を通じ、政策の財源や根拠を具体的に説明する必要がある。

 英国では7月、労働党が14年ぶりに保守党から政権を奪還した。労働党が、大学の無償化など従来の公約を放棄し、現実路線の政策を掲げたことが、政権交代を可能にした一因と言われている。

 立民が政権交代を本気で目指すなら、財源の裏付けを伴う政策作りに真剣に取り組むべきだ。「敵失頼み」の党運営を見直し、地力をつけなければならない。

 代表選では、次期衆院選に向けた野党共闘も論点となる。

 泉氏はかねて、共通政策の実現に絞って連立政権を組む「ミッション型内閣」構想を提唱してきたが、現実離れしているとして他党の賛同を得られていない。

 野党各党の選挙協力は、戦術としてはあり得るとしても、政権を奪取した場合の枠組みを示さなければ、有権者は戸惑うだけだ。

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