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パワハラ認めず「委員会で認定を」 兵庫県百条委員会、斎藤知事が見せた「鉄面皮」

J-CASTニュース / 2024年9月8日 16時39分

パワハラ認めず「委員会で認定を」 兵庫県百条委員会、斎藤知事が見せた「鉄面皮」

兵庫県議会調査特別委員会(百条委員会)で答弁する斎藤元彦知事(画僧は兵庫県議会の配信動画から)

パワハラ疑惑が指摘されている兵庫県の斎藤元彦知事が2024年9月6日に行われた県議会の調査特別委員会(百条委員会)に出席し、証人尋問を受けた。斎藤氏は「不適切な行為」と口にする一方、頑なに自らの責任を認めず「委員会で認定を」などとする主張を繰り返した。

道義的責任についても「問題ない」「ちゃんとやってきた」

斎藤氏をめぐっては、元県民局長が3月に斎藤氏らに関するパワハラ疑惑を主とする内部告発文書を作成し、一部の報道機関などに送った。告発文書の存在を知った斎藤氏は告発者を特定し、元県民局長を懲戒処分とした。元県民局長は7月に自殺している。

9月6日に行われた百条委員会では、文書の真偽を調べ、一連の処分に関する妥当性を検討するため、斎藤氏の証人尋問を行った。

斎藤氏は、文書の内容について「全体として、この文書が意図したいところとか含めて、事実でないことがたくさん含まれているという風に思いました」「告発というより、誹謗中傷性の高い文書」などと従来の主張を繰り返し、県の対応について法的に問題はないと強調した。

「(告発文を)放置はできないという風に思いました。県として、私も含めて把握した以上このまま放置してなすがままにやっていくってことは良くない」

とし、作成者を特定し必要に応じた処分の対応をすることが大事だったと語った。

道義的責任についても「問題ない」「ちゃんとやってきた」と主張した。具体的には、「知事はこの一連の県の対応、手続きについて道義的責任はあると思いますか」との問いは、「(元局長の)懲戒処分に関する対応は、大事なのは県が行政機関としてやっているというところですから、手続きを含めて法的な観点が大事だと思います」と返答。

「そういった意味で、我々としては県として訴訟にも耐えうる形でやっていますから。そこに法的な問題はないというふうに私は認識しています。そういった意味で、県そして知事としての対応は問題なかったと思っています」

とした。

議場からどよめきも

委員が「今のは法的責任の話ですよね」とし、「記者会見で『噓八百』とか『公務員失格』とか言ってね。いや、告発文書に書いていることに一部事実出てるやん、と。そういうこと何にも報告しなくて、どんどん疑惑が広がっていって今こんな現状になってると思いますけど。それでも道義的責任感じないですか」と声を荒げた。

斎藤氏は「記者会見でも毎回言わしていただいてますけど、1つ1つの対応は積み重ねながらやってきているので、そこは法的な問題点がないように適切にやってます。色々な道義的責任を指摘されていますけども、県が行政機関としてきちっと対応している以上、そこも含めて私としてはちゃんとやってきたと思っています」と表情を変えずに答えた。

委員が「4月15日なんですけれども、『公益通報の(調査)結果を待たずに元局長を処分できないか』と人事課に検討を依頼されているんですけど、これは知事の指示ですよね」とすると、斎藤氏は「私がそういった指示をしたっていう記憶はないですね。記憶上、指示はしていないと思います」と回答。議場からはどよめきが上がった。

一連の事案をめぐっては、斎藤知事の部下である県幹部が元局長のパソコンに保存されていた告発内容とは無関係なプライベートな情報を県議らに開示していた疑いがある。

こうした内容を知っていたかと問われると、斎藤氏は「えっと、知らないですし、私は指示も関与もしていませんし」と疑惑を否定した。

報道を受け、指摘された職員らに直接確認したとして、「皆さん『していません』とおっしゃっていたので、してないと信じている」とした。

委員「かなり問題。結論ありきの調査になってたんだろうなという風に思います」

8月30日に行われた百条委でも、斎藤氏は頑なにパワハラ疑惑を認めなかった。

告発文について「噂話を集めて書いたということは、やっぱり良くない。それを公務員がですね、職務中に公用パソコンでやっていたということは良くない行為」などと主張した。

元県民局長は3月末に定年退職する予定だったが、県は3月27日に定年退職を取り消し、県民局長を解任。元県民局長は4月4日に県職員公益通報制度の窓口に通報したが、県はその対応を待たずに5月7日、元県民局長を抵触3か月の懲戒処分にしている。

こういった経緯については、「(3月)25日の聴取、公用メールのチェックとかを踏まえて、そういった(文書を)作成していたと推定されますけど」などとした。

こうした対応について、委員からは「決裁が終わる前にすでに退職保留が決まってて、それが庁内調査手順に書かれていて、調査の前にそれ(結果)が決まっているという、かなり問題。結論ありきの調査になってたんだろうなという風に思います」との指摘が寄せられた。

焦点は続投の可否に

委員が、21年9月に職員2人を呼び出し、机をたたいて叱責した行為をパワハラと認識するかをただすと、斎藤氏は「一度やった記憶があります。就任直後だったので」と認めた。

しかし、委員が「どう考えてもパワハラに該当する。認めるか」と追及するも、斎藤氏は「適切ではなかったと思う」としつつ「パワハラに該当するかは委員会で認定していただければいいと思う」などと明言を避けた。

百条委での斎藤知事をめぐる証人尋問を踏まえ、各会派は不信任決議案を含めた検討を行う。地方自治法では、不信任案の可決には出席議員の4分の3以上の賛成が必要であり、可決の場合でも斎藤氏が議会を解散することで当面は続投が可能となる。

斎藤氏は続投の意向を示しているが、報道によれば県議会最大会派の自民党が示した辞職要求方針に、第2会派の維新の会を除く全会派が同調する方向で協議が進んでいるという。週明け以降は、斎藤氏が続投可能かどうかに焦点が移りそうだ。

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