パラリンピック雨の中でフィナーレ、IPC会長「史上最も壮大な大会」
読売新聞 / 2024年9月9日 12時10分
【パリ=読売取材団】8日夜(日本時間9日未明)にパリ近郊のフランス競技場で行われたパリ・パラリンピックの閉会式には、日本選手団や各国・地域の選手らが笑顔で参加した。雨が降りしきる中、フランスを代表するミュージシャンらが式典を盛り上げ、12日間の祭典は盛大なフィナーレを迎えた。
旗手は木村敬一と和田なつき
式の序盤では、右手を欠損したトランペッターがフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を演奏。各国・地域の代表選手が入場行進し、日本は競泳で2冠の木村敬一(東京ガス)と卓球で金メダルに輝いた和田なつき(内田洋行)が旗手役として入場の列に加わった。
大会組織委員会のトニー・エスタンゲ会長はスピーチで「あなた方はパラリンピック革命を始めた。この歴史的な夏の記憶は生涯残るだろう」と語り、「今夜、もう一つ最高記録を打ち立てよう。選手たちに大きく長い拍手を送り、どれほどの感動をもらったかを示そう」と呼びかけた。満場の観衆が大歓声と拍手でこれに応えた。
国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドルー・パーソンズ会長は「史上最も壮大な大会だった」とパリをたたえ、「あなた方は選手たちの活躍を通じ、『違い』が強さであることを知った。それを行動に移し、社会を変えてほしい」と訴えた。
ブレイキンを披露、ダンスパーティー
ダンスパフォーマンスでは、パリ五輪で初採用されたブレイキンを、障害のあるダンサーも含む8人が披露した。引き継ぎ式が行われ、パリのアンヌ・イダルゴ市長からパーソンズ会長を経てロサンゼルスのカレン・バス市長にパラリンピック旗が渡った。その後、フランスのパラアスリートがランタンに移した聖火を吹き消し、パリ中心部のチュイルリー公園にある気球型の聖火台の光も消えた。
終盤はダンス音楽が次々と響き渡り、会場はさながらパーティーのような雰囲気で盛り上がった。
「ケーキのサクランボのよう」聖火息で吹き消す
閉会式で、やはり目立ったのが開催国フランス。ランタンに入った聖火は、車いすに乗ったボッチャ女子の金メダリスト、オレリ・オベールが、何度も息を吹きかけて消した。選手らは、ダンスミュージックが流れた最終盤まで参加。オベールは、充実の大会が美しい閉会式で完結したという意味を込め、「ケーキの上のサクランボのようだった。素晴らしかった」と地元放送局に笑顔で語った。
次回はロス、パラ初開催
会場では次回開催地のロサンゼルスを紹介する映像が流された。軽快な音楽とともに、障害者らが米西海岸が発祥とされるスケートボードを思い思いに楽しむ明るいイメージが伝えられた。2028年のロサンゼルス大会は、五輪は1984年以来44年ぶりとなるが、パラリンピックは初めての開催。追加競技としてクライミングが初めて実施され、競技数は23となる。
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