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車いすの「超人」土田和歌子、代表30年のラストラン…石畳を全力「心からありがとう」

読売新聞 / 2024年9月9日 13時12分

ラストランを6位で終えた陸上女子マラソンの土田和歌子選手(8日、パリで)=古厩正樹撮影

 【パリ=松本慎平】「日本代表として30年間戦い、成長できた。心からありがとうの気持ちでいっぱいです」。夏冬計9回目の大会に車いすマラソンで挑んだ土田和歌子選手(49)は「最後のパラリンピック」を6位入賞で終え、感謝の言葉を口にした。

 ゴール手前、追いかけてくる選手も、追い越せそうな選手もいないのに、全力で車輪を回した。レース後のインタビューでは「最後まで走りきることを誓ってスタートラインに立ち、達成できた」と、涙をこらえながら声をうわずらせた。

 高校2年だった1992年に遭った交通事故で車いす生活になった。93年から冬季のパラスポーツ「アイススレッジスピードレース」に挑戦し、94年リレハンメル大会に初出場。98年長野大会では金銀計4個のメダルを獲得した。

夏冬あわせて9大会に出場、新たな心境で挑戦

 夏冬の競技転向の先駆者でもあり、2000年シドニー大会から日本選手歴代最多の7大会連続で夏季大会に出場。04年アテネ大会では陸上5000メートルで優勝し、日本で初めて夏冬両方の金メダルを獲得した選手となった。マラソンでもメダル2個。21年東京大会はトライアスロンでも出場し、「超人」と呼ばれた。

 東京大会後、パラリンピックからの「引退」を宣言した。「パリ大会後の自分の姿をイメージできなかった。仲間とベクトル(方向性)を合わせて挑むために覚悟を決めた」

 今大会最終日の朝、メダルを目指してパリの市街地に車いすを走らせた。石畳の凹凸に苦しみながら、沿道の声援を力に完走した。

 パラリンピックは引退するが、レース出場は今後も続ける。「アスリートとして走ることで、車いすマラソンの魅力を感じてもらいたい」。新たな心境で挑戦を続ける。

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