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「日本で生まれ、日本の文化が好き」イギリス代表のスカイ・ブラウン…”アイコン”が心待ちにするXゲームズ

読売新聞 / 2024年9月10日 10時29分

パリ五輪のスケートボード女子パークで銅メダルを獲得したイギリスのスカイ・ブラウン選手(6日、パリで)=松本拓也撮影

 「X Games Chiba 2024」(Xゲームズ千葉大会)が千葉市の幕張メッセで9月20~22日に開かれる。日本出身で、五輪2大会連続銅メダルのスカイ・ブラウン(16)(英)もスケートボード女子パークに参戦予定だ。女子アクションスポーツ界の象徴(アイコン)とも言えるアスリートは、自身のルーツである日本で挑む初のXゲームズを何よりも楽しみにしている。(大阪運動部 井上敬雄)

歌って、踊って、滑って…

 8月の出場選手発表記者会見後。「アクティブに外に出るのが好き。この前は原宿に行って色んなものを食べた」と話題のフルーツ飴「タンフル」やクレープを楽しんだと近況を明かした。「インタビューは英語の方が得意かな」とはにかみつつ、日本語での取材対応もこなす。「日本で生まれたし、日本の文化も好き。日本語でうまく答えられないこともあるけど、私には日本人としてのいい特徴がある。そういう側面も知ってもらいたい」と言う。

 笑みを絶やさず、10代半ばらしい 天真爛漫 てんしんらんまんさで周囲を明るくする。時には日本勢の通訳も買って出る。近年の女子パーク界の人気を定着させた功労者でもある。

 宮崎県高鍋町出身で、父が英国人、母が日本人であることは広く知られているが、その活動は多岐にわたる。ダンスコンテスト番組に出れば優勝、歌をリリースすれば3000万回以上の再生数を記録する。チャリティー活動にも積極的だ。スケボーとともに力を入れるサーフィンでは、今年2~3月のワールドゲームズ(世界選手権に相当)にも参戦し、パリ五輪出場まであと一歩に迫った。

けがにも負けず

 一緒に練習することも多い 四十住 よそずみさくら(22)(第一生命保険)が「(サーフィンで)朝5時くらいから海に入って、その後はスケボー。とんでもないスケジュール」と驚く時期もあったという。ただ、本人は「2つのスポーツをやることでの相乗効果、互いにいい刺激がある」。どこまでも前向きかつストイックに「二刀流」を実践している。

 スケボーの競技面に目を向ければ、大きなケガのたびに復活を果たしてきた。頭蓋骨などの骨折を乗り越えて東京五輪では銅メダルを獲得。以降も第一線で活躍を続け、2023年2月には世界選手権で優勝を飾った。

 だが、今年4月には右膝の 靱帯 じんたい損傷と再びアクシデントに直面。パリ五輪直前には肩を脱臼するケガを負った。それでも「安全にいこう」と言いつつ、本番ではコース縁に手をついて逆立ち状態になる「インバート」を決めたり、レールを越えて板を縦1回転させたりと存分に持ち味を発揮して再び表彰台に。「東京五輪後の3年間で女子パークもレベルがとても上がった。みんな一緒に成長し、限界を押し上げていけた。めっちゃ楽しく、気持ち良かった」と笑顔がはじけた。

私らしいスタイルを

 そんな大舞台を経て挑むのが、今回のXゲームズ千葉大会だ。7歳頃から見てきたXゲームズは憧れの舞台で、好相性の大会でもある。11歳で初めて出場した19年米国大会では、空中で1回転半する「フロントサイド 540 ファイブフォーティー」を女子スケーターとして初めて成功させた。21、22年米国大会では高いエアやスピードを武器に連覇を果たしている。

 現在はサーフィン、スケボーのいずれもできる千葉県一宮町に拠点を置いていることもあり、「(千葉は)私のホームという感じ。友達もくると思うし、すごいショーを見せたい」と意気込みは強い。もともとは五輪後予定していた手術を、大会後にずらしての参戦が今大会に懸ける思いを表している。

 「まだ、肩や膝の痛みもあって完璧な状態ではないけれど、(四十住)さくらと一緒に表彰台に乗る」ことが目標だ。「クールで、奇麗で、力強い。私らしいスタイルを見せたい」と誓うアクションスポーツ界のヒロインが、母の母国で再び輝く瞬間が間もなくやってくる。

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