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「子供たちが楽しいと思えるように」…四十住さくらが「挑戦者」として立つ舞台、「教え子」に捧ぐXゲームズ

読売新聞 / 2024年9月12日 10時0分

パリ五輪・スケートボード女子パークに出場した四十住さくら

 アクションスポーツの祭典「X Games Chiba 2024」(Xゲームズ千葉大会)が千葉市の幕張メッセで9月20~22日に開かれる。スケートボード女子パークには東京五輪金メダリストの 四十住 よそずみさくら(22)(第一生命保険)が出場予定だ。初めての日本開催だった2022年には初代女王に輝いたが、昨年はケガの影響で欠場。今大会に懸ける思いは強い。(大阪運動部 井上敬雄)

恐怖心と向き合って

 連覇を狙ったパリ五輪では、45秒間のランの2、3本目に点数を伸ばせず10位に終わった。それから1か月余りで再び大舞台がやってくる。8月の記者会見では「五輪ではやりたいことが何もできず、決勝にもいけず悔しかった」と振り返った。同時に「1年前はケガもあって出られなかったけど、この1年で復活できた。また楽しみたい」との思いも沸いてきたという。

 東京五輪で頂点に立って以降も、女子パーク界を 牽引 けんいんしてきた四十住が再び日本で輝きを放ったのが、22年のこの大会だった。空中で体を1回転半する大技「 540 ファイブフォーティー」をピタリと決めた。キャリアに欠けていたXゲームズのタイトルを初めて獲得。母の誕生日に金メダルという最高の贈り物ができ、幸せな記憶が刻まれた。

 ただ、23年からは茨の道を歩んできた。練習中に右膝の後十字 靱帯 じんたいを断裂。同年のXゲームズ千葉大会も欠場を余儀なくされた。「本当に戻ってこられるか不安だった」。恐怖心とも向き合う日々が続いた。

下を向くことなく

 パリ五輪の予選大会でも当初は大技を封印。「うずうずする」と言いながら、さらなるケガ防止のために1日中滑っていた練習は4時間ほどの短期集中型へと変えた。負傷箇所を守るためにジムで膝や下半身の筋力強化に励み、コース縁(リップ)に板を掛ける箇所を替えながら滑るといった繊細な技をさらに磨き、トップシーンに戻ってきた。

 世界ランキング3位で臨んだパリ五輪では思うような結果が出なかったが、「このままだと自分が納得して終われない。まだ勝てると思うし、全部を出し切っていない」と下を向くことは一切ない。「いい意味でプレッシャーがなくなった。追いかける側になって一瞬一瞬を楽しみたい」。

 再び挑戦者となって臨むのが今大会だ。五輪ほど大きなコースではないため、リップトリックでは他の追随を許さない持ち味がさらに生きそうで、本人も「得意なパーク。自分の得意なことをたくさんできたら」と意気込む。「五輪は本当に出したかった技を出せずに終わったのが本当に悔しかった」と言い、五輪の決勝用に準備していた技も繰り出すつもりだ。

ベテランになって…

 楽しみはもう一つある。五輪2大会連続銅メダリストのスカイ・ブラウン(16)(英)との競演だ。互いに膝に大けがを負った際には励まし合ってきた盟友とも言える存在。「お互いのスタイルは全然違うけど、この7年間ぐらい滑ってきて、一緒にうまくなって表彰台にも何回も乗ってきた。自分が上の時もあって、今はスカイが上だけど、どっちが勝っても喜べる」と胸を躍らせる。

 パリ五輪では、10代半ばが表彰台を占めたように22歳の四十住は大ベテランという位置づけになった。もともと「幼稚園の先生になるのが夢」だった。子供好きだけあって、今では教え子も4人いる。「ケガをしても、勝っても負けても、まだまだ挑戦している姿をみんなにも見てもらいたい。日本の子供たちが見ていて楽しいなと思ってもらえるような滑りをして、結果も出したい」と語る。

 アジア大会、世界選手権、五輪と主要な国際大会全てで初代女王に輝いてきた第一人者は、今も成長を信じて歩みを止めない。後進に背中を見せて引っ張っていく気持ちも強い。存在感を改めて示す再出発の舞台が、Xゲームズ千葉大会になる。

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