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トヨタ開発の車いすでマラソン「銅」の鈴木朋樹、「メダル取らないと帰れない」と力走

読売新聞 / 2024年9月9日 19時12分

男子マラソンで銅メダルを獲得した鈴木朋樹(8日)=木佐貫冬星撮影

 8日に行われたパリパラリンピックのマラソンで、車いすT54の男子で鈴木朋樹(トヨタ自動車)が1時間31分23秒で銅メダルを獲得した。吉田竜太(SUS)は8位。マルセル・フグ(スイス)が3連覇を達成した。視覚障害T12の男子で堀越信司(NTT西日本)は7位、和田伸也(長瀬産業)は9位、熊谷豊(三井ダイレクト損保)は10位だった。

 「諦めない」「逃げない」――。鈴木は疲れた自分を励ましながら、約1時間半のレースを駆け抜けたという。

 スタート直後、2大会連続金メダルのマルセル・フグ(スイス)が抜け出した。ここが勝負どころと、「出し惜しみしている場合ではない」と追いかけ、その後も必死でペースを刻んだ。30キロ過ぎて2番手の中国選手をとらえてからは、うまく風よけに使われ、最後でかわされてしまったものの3位でゴール。個人種目で初めて獲得した、堂々の銅メダルだ。

 東京大会ではこの種目で7位に終わり、悔しい思いをした。競技力を高めるために大会後に取り組んだことの一つが、所属先のトヨタ社員らと開発した車いすレーサーだ。

 自動車の車体設計や、風洞試験などを行う性能評価の専門家らも加わって試作を重ね、完成させた専用レーサー。衝撃の大きい石畳のコースを走るパリでも「とにかく自分の体に合っているのが大きい。思った通りの走りができた」と力を発揮した。

 レーサーづくりでは、同じ会社の仲間として大舞台に挑む鈴木を後押ししようという、協力してくれた社員たちの熱い思いを感じていた。それに応えるためにも、「『メダルを取らないと帰れない』ぐらいの気持ち」で力を振り絞った。

 ゴール後に頭に浮かんだのは、家族やコーチ、大会に向けて支えてくれた人たちのこと。「皆さんが協力してくれたことが、こういったメダルという形に残った」。30歳の第一人者は、感謝の言葉を繰り返した。

(杉野謙太郎)

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