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ハチ公「お手」写真発見!飼い主は教えなかったが専門家「渋谷で教え込まれたのだろう」

読売新聞 / 2024年9月10日 7時8分

 東京・渋谷駅前の銅像で知られる忠犬・ハチ公が「お手」をしようとするシーンを収めた写真が見つかった。ハチ公の飼い主は芸を教えなかったとされており、専門家は「ハチ公も実際にはお手をしていたことがわかる唯一の資料」と評価している。渋谷区郷土博物館・文学館(渋谷区東)で10月1日まで、写真を拡大したパネルを展示している。

 写真は、あきる野市の五味堅治さん(91)が所有し、今年2月、同館に寄贈された。渋谷駅で駅員として勤務していた五味さんの父・嘉三郎さんが、駅前でハチ公に食べ物を与えようとした場面とされる。ハチ公に詳しい同館の松井圭太学芸員(56)によると、嘉三郎さんの勤務時期などから撮影されたのは1933年12月~34年1月頃と推定される。

 ハチ公の飼い主だった東大農学部の上野英三郎教授は「心が卑しくなる」として、ハチ公に芸を教えなかったとされる。そのため、ハチ公がお手をしていたことを示す資料はこれまで確認されていなかった。

 写真のハチ公は、通常のお手と異なり、座らずに前脚だけを差し出している。松井学芸員は「(上野教授の死後)渋谷駅で多くの人と交流する中で、教え込まれたのだろう。しつけとして教えられたわけではないため、中途半端なお手になってしまったのではないか」と推察した。

 写真の拡大パネルは、同館で開催中の新収蔵資料展で公開されている。入館料は100円。月曜休館(休日の場合は翌日休館)。9月末までの土日祝日には、58年に制作されて一般公開されなかった幻の映画「ハチ公物語」の無料上映も行われる。問い合わせは同館(03・3486・2791)へ。

生誕100年で注目 「発掘」続々

 ハチ公を巡っては昨年以降、新たな写真の発見が相次いでいる。生誕100年の節目に合わせて調査が行われたり、記念のイベントが開かれて注目を集めたりしたためで、渋谷区郷土博物館・文学館は、さらなる「発掘」を期待する。

 同館で昨秋開かれた「ハチ公生誕100年記念展」の目玉は、開催に合わせて寄贈された2枚の写真だった。ハチ公の正面と横顔が連続して撮影された貴重なもので、同館による調査で、神奈川県藤沢市の写真館店主(故人)が所有していたことが判明した。

 さらに、記念展の開催を知った神奈川県鎌倉市の男性が、自身の父親が東京観光の際にハチ公像前でハチ公と一緒に撮った写真を同館に提供した。今回の「お手」写真の寄贈も、昨年の生誕100年の報道がきっかけだった。

 渋谷区郷土博物館・文学館によると、これまで確認されているハチ公の写真は80枚程度で、短期間に4枚も見つかるのは珍しい。ハチ公が生きていた時代は今ほどカメラが普及しておらず、写真に収めるのはよほど大事なものだけだったといい、同館は「ハチ公の写真がこれほど残っているのは、世代を超えて愛されてきた証し。どんなピンぼけの写真でもいいので、見つけたら連絡してほしい」としている。

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