マルセル・フグ、今大会４種目目のマラソンで初の金メダル…プラン通りに後半は独走

男子マラソンで３連覇を達成したマルセル・フグ（８日）＝古厩正樹撮影

　８日に行われたパリパラリンピックの陸上マラソン車いすＴ５４の男子で、鈴木朋樹（トヨタ自動車）が１時間３１分２３秒で銅メダルを獲得した。吉田竜太（ＳＵＳ）は８位。マルセル・フグ（スイス）が３連覇を達成した。

　車いすマラソンＴ５４の絶対王者、マルセル・フグが３大会連続の金メダルに輝いた。今大会はこの種目の前まで、トラックの３種目で銀２個、銅１個。それだけに、最終日のこの種目にかける思いの強さはひとしおだった。

　スタートから飛び出すと、２５キロ付近で競り合っていた中国選手を引き離すことに成功。その後は後続との差を広げ、悠々とゴール。「速いスタートで集団をばらけさせるのが狙いだった」と、プラン通りのレース運びだった。

　他の選手と同様に石畳のコースは王者の体力も奪ったようで、「ものすごく疲れている。特に石畳がきつくて、とてもタフだった」と振り返った。

　計４個のメダルを獲得し、「パラリンピックのマラソンで再び勝つことは本当に自分にとって大きい」と言い、「本当に幸せで、誇らしい気持ちでいっぱいだ」と喜びに浸った。（杉野謙太郎）