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パリ大会閉幕 パラ競技に関心持ち続けたい

読売新聞 / 2024年9月10日 5時0分

 手に汗握る逆転劇や、強豪を次々と破る快進撃に日本が沸いた。選手と観客が大会を通じて感動を共有した経験を、今後の障害者スポーツの振興につなげていきたい。

 12日間にわたって行われた障害者スポーツの祭典、パリ・パラリンピックが閉幕した。

 日本は前回東京大会を上回る金メダル14個を獲得した。銀、銅と合わせたメダル総数は41個で、過去最多だった2004年のアテネ大会の52個には届かなかったが、連日の熱戦から目が離せなくなった人も多かったのではないか。

 中でも圧巻だったのが、車いすテニスの男子シングルスに初出場し、この種目としては史上最年少となる18歳で金メダルに輝いた小田凱人選手である。

 試合前、テレビ放送の機会が少ないとして、「なんのためにメディアに出て、演出してきたか分かんなくなりそうだけど、これが現実」とSNSに投稿した。あえて とがった発言で大会への注目を集めようとしたのだろう。

 「負ける気がしない」と豪語して臨んだ決勝では、最終第3セットで相手にマッチポイントを握られ、万事休すかに思えた。しかし、そこから4ゲームを連取し、逆転勝ちした。

 昨年引退した国枝慎吾さんを上回るようなパワープレーと、崖っぷちに追い込まれても諦めない不屈の精神に、拍手を送りたい。

 車いすラグビーは、豪州、米国といった強豪を倒し、悲願の金メダルをものにした。リオデジャネイロ大会、東京大会はともに銅メダルだった。メンバー12人のうち11人が東京大会の経験者で、抜群の連携が生かされた。

 大会閉幕で、せっかく高まった障害者スポーツへの関心や理解が再びしぼんでは元も子もない。

 スポンサー離れで資金不足を訴える競技団体があるほか、施設側の無理解で利用を断られたという選手の声も出ている。官民を挙げて対策を練っていきたい。

 今大会は各地で紛争が続く中での開催となった。ロシアの侵略を受けるウクライナは金メダル22個を獲得した。

 難民選手団も銅メダル2個を得た。イスラム主義勢力タリバンが全土を掌握したアフガニスタンからフランスに逃れたテコンドー女子の選手は「アフガンを忘れずにいてくれたら」と語った。

 障害の有無や国情にかかわらず誰もが安心してスポーツに取り組めるよう、国際社会は平和を取り戻す努力を続けねばならない。

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