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初期の曲「スタート・ライン」好きな選手が金メダル…走り続けたい、どんなに傷ついても[平原綾香さん寄稿]

読売新聞 / 2024年9月10日 5時0分

男子コンパウンド個人2回戦で勝利したマット・スタッツマン(1日)=木佐貫冬星撮影

歌手 平原綾香さん 40

 SNSで色々な情報が飛び込んでくる時代。パラリンピックが開催されているこの時期は、選手たちの競技だけではなく、普段の生活についても知る機会になります。私は、様々な選手の方々の、それぞれの物語を読むのが好きです。

 米国のマット・スタッツマンさんは、両腕がなく足で弓を持つアーチェリー選手。「僕は足でおむつだって替えられるんだ」などと語っていて、ああ、お子さんも育てているんだなあと想像します。

 今大会、見事に金メダルを獲得しました。競技には様々な障害のある方が出場していますが、そんな中で優勝したのです。「腕のないやつが金メダルを取ったんだ。人間に限界なんてない」と語っていて、パラリンピックは本当に想像を超える世界だと思いました。

 最後のパラリンピックとして臨んだ今回、両腕のない選手が他に3人出ていたそうで、「3人に私が習得したコツを全て伝授した。競技を発展させることが私にとっての金メダルだ」と語っていました。私がそんな気持ちになれるだろうか。涙腺を刺激されました。

 日本に劇的な金メダルをもたらしたのは、視覚に障害のある人がプレーするゴールボール男子。延長戦で勝利を呼ぶ一投を決めた佐野優人選手(24)のことは、以前から応援していました。今年、私の公式サイトのメッセージフォームに、彼の応援ビデオを作りたいから協力してほしいという相談があったんです。私の「スタート・ライン」という曲を優人君もお母さんも好きで、支えにして頑張ってくれていたそうです。

 優人君は中学の時に視覚障害になって、野球を断念しました。メッセージをくださったのは、中学の野球仲間のお母さんでした。すぐにメッセージを見られなかったこともあって参加できませんでしたが、ずっと気になっていました。

 <走り続けたい どんなに傷ついても いつか僕は新しい スタート・ラインに立つ>という歌詞に共感してくれたのかな。この曲は、私のキャリア初期の頃の歌で、聴いていてもらえたことが私の支えにもなりました。お母さんも優人君を支えるうえで、曲が寄り添っていたんでしょうか。約20年、歌ってきてこその感動を頂きました。本当におめでとうございました。

ひらはら・あやか 2003年、「Jupiter」でデビュー。歌手として高い評価を受けるほか、ドラマやミュージカル、映画の吹き替えなど多方面で活動。10月19日から「平原綾香 Concert Tour 2024―2025~The Swinging Classics!~」を開催。

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