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不記載は収支合わせて3億8000万円、二階派の元会計責任者に執行猶予付きの有罪判決

読売新聞 / 2024年9月10日 22時4分

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、政治資金規正法違反(虚偽記入)に問われた「 志帥 しすい会」(二階派)の永井等・元会計責任者(70)に対し、東京地裁は10日、禁錮2年、執行猶予5年(求刑・禁錮2年)の有罪判決を言い渡した。向井香津子裁判長は「国民の政治不信につながる社会的な悪影響は多大だ」と述べた。

 一連の事件では、国会議員4人を含む計11人が起訴(在宅、略式を含む)されたが、正式裁判での有罪判決は初めて。

 判決によると、永井被告は二階派の2018~22年分の政治資金収支報告書で、パーティー券販売のノルマ超過分などの収入約2億6400万円と、派閥から議員側に寄付した超過分などの支出約1億1600万円をそれぞれ記載しなかった。

 判決は、二階派でノルマ超過分を派閥に納付せずプールする議員も複数いたのに、永井被告がこれを容認し、パーティー収入や議員側への寄付の総額を正確に把握しようとしなかったと指摘。収支報告書の記載金額は、ノルマを目安にしたり見栄えの良さから逆算したりして適当に決めていたとした。

 その上で、1999年に会計責任者となった永井被告について「就任当初から収支の実態とかけ離れた虚偽の会計処理を長年続けており、過少に偽られた金額も大規模で非常に悪質だ」と非難。約40人の国会議員らが所属する派閥の金銭の流れが不透明となったとし、「政治資金の収支を公開し、国民にその是非の判断を委ねる政治資金規正法の目的を著しく害した」と断じた。

 永井被告は6月の被告人質問で、虚偽記入の理由を「派閥にお金を残しておくべきだと考えた」と説明。判決は「派閥の都合や利害のみを考えて犯行を繰り返し、動機に酌量の余地はない」と批判した。一方で、永井被告が反省していることなどから執行猶予を付けた。

 事件では、派閥から受け取ったパーティー収入を政治資金収支報告書に記載しなかったとされる国会議員が80人を超え、刑事責任追及を求める告発を受けた東京地検特捜部の捜査が続いている。

 特捜部は今年1月、不記載額が3000万円超だった議員3人を起訴した一方、それ以外は立件を見送った。堀井学・前衆院議員(52)は不記載と認定された金額が1714万円だったものの、捜査の過程で公職選挙法違反の事実も発覚し、8月に略式起訴された。

 一方、特捜部は今年5~8月、告発を受けて進めた捜査の結果、議員約20人を不起訴とした。理由は、議員については「嫌疑不十分」、収支報告書の作成に関わった秘書らは「起訴猶予」が多い。告発した大学教授が不起訴は不当だとして検察審査会に順次審査を申し立てており、今後の検審の判断が注目される。

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