1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

日本の課題にどう取り組む? 自民党総裁選の論戦に期待

読売新聞 / 2024年9月11日 17時30分

自民党総裁に選出された小泉純一郎氏(中央)(2001年4月24日)

 岸田首相の後継を選ぶ自民党総裁選があす12日、告示されます。27日の投開票まで論戦の行方を見守っている人も多いと思います。次のリーダーは誰か。興味は尽きません。読売新聞朝刊の投書欄「気流」には、過去の総裁選でも多くの投書が寄せられてきました。記者の心に刺さった投書を紹介する「ササる投書」、今回のテーマは「自民党総裁選」です。(※投稿者の年齢や職業などは掲載当時。紙面では実名で掲載)

最大政党の責務、中身ある論戦を

 自民党総裁選は大詰めを迎え、橋本竜太郎、小泉純一郎両候補の論戦が白熱している。冷静な姿勢で政策を説く橋本氏に対して、小泉氏はこぶしを振りかざし、持論を情熱的に語る。対照的で面白いが、論戦を通して、明るい日本の将来を築く処方せんを見つけることができただろうか。

 小泉氏の主張する郵政三事業の民営化だけが問題ではないはずだ。中島義雄・前大蔵省財政金融研究所長が知人から巨額の資金提供を受けていた疑惑に象徴される肥大した大蔵省の権限、官官接待に見る自治体の中央官庁もうでの悪弊と補助金の無駄遣い。一向に進まない行財政改革と地方分権――。これらの課題にどう取り組むのか、という視座が欠けた論戦では最大政党の責務は果たせない。

 総裁選の勝負は決まっているのかも知れないが、橋本氏には、小泉氏の挑戦を単なる消化試合と思ってもらっては困る。21世紀までいくらもない。産業の空洞化が進む日本は改革に悠長に構えていられる状態ではないのだから。(55歳・会社顧問=東京都、1995年9月22日掲載)

「派閥の論理」「数の論理」いつまで

 私は自民党員ではないが、今回の自民党総裁選の行方には強い興味を持っていた。都道府県連が実施した「予備選」での予想外といえる小泉氏の圧勝を、派閥の長老たちはどう分析するのであろうか。

 テレビの報道で、自民党員ではないのに投票用紙が送られてきて困惑する人や、「白票のまま出してほしい」と要請された人たちの映像を見た。今でもこんなおかしなことが、当然のように行われているという現実が信じられない。

 村や町レベルの選挙なら、以前は似たような話があったのかもしれないが、21世紀になり、自民党総裁、ひいては国の長を選出しようという時にも、組織的な押し付けや締め付けがまかり通ると思い込んでいる人たちの考えの古さに、暗たんたる思いを抱いた。

 それでも、この結果となったのだから、「派閥の論理」や「数の論理」も、通用しなくなっていくのだろうか。前途多難ではあるだろうが、一歩前進の風だと思いたい。(57歳・会社員=大阪府、2001年4月25日掲載)

担当記者から

 今回の大きな争点に「脱派閥」があります。本当に出来るのか、多くの人が関心を持っているでしょう。総裁選の投票は自民党の議員や党員・党友に限られ、仲間内の論理が働きがちですが、次期総裁は次の首相でもあり、国を導くリーダーシップや政策力が問われます。40年以上前の総裁選で、そのことを冷静に指摘した高校生からの投書を最後に紹介します。(田渕)

「国民意識」で誇れる人物を

 新聞紙上に自民党総裁予備選挙に立候補した各候補者の選挙運動の様子が報道されているが、候補者の地元では、それぞれ「私たちの県から総裁を」などとたいへんな熱狂ぶりだという。

 候補者の出身県の県民はどういう気持ちなのであろう。中には、その候補者の政策に共感している方もいるのだろうが、ほとんどは「どんな人でもよいから、地元から総裁を出したい」というのではないだろうか。一国の最大の政党の総裁であり、総理大臣になるであろう人を決定するのに、「地区対抗総裁選挙合戦」の気持ちでいいのかと言いたい。

 総裁選挙は高校野球や国体とは違うのだから、都道府県間での争いは無益であるだけでなく有害でさえある。候補者の思想や政策よりも出身地という要素をより重要視するのは、決して日本のためにならないと思うからである。

 諸外国との関係がますます難しくなっている中で、日本が今後も発展し続けていこうとするならば、今こそ「地元意識」を捨て、「国民意識」を持って、内にも外にも誇れる総裁を選ぶべきであろう。(16歳・高校生=埼玉県、1982年11月5日掲載)

 「ササる投書」を随時掲載します。次回もお楽しみに!

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください