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裁判員候補38人が呼び出し日に集合したが、無駄足に…大阪地裁が選任手続きせずそのまま帰す

読売新聞 / 2024年9月11日 17時0分

大阪地裁

 女児が被害者の強制性交致傷事件の裁判員裁判で、大阪地裁が、裁判員候補者を呼び出したのに選任手続きを行わずそのまま帰していたことがわかった。争点の絞り込みが間に合わなかったとみられる。

争点整理、間に合わず?

 被告は元病院職員の男(28)。起訴状では、大阪府内で2016~22年、複数の小学生らを脅して性的暴行を加え、その様子を撮影するなどしたとしている。大阪地検が22年8月~23年3月、強制性交致傷罪などで起訴した。

 地裁は23年1月~今年2月上旬、裁判官と検察官、弁護人が事前に争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きを13回実施。2月20日の初公判を含む11回(2~3月)の期日を決定し、裁判員6人と補充裁判員3人を選任するため、候補者117人に呼び出し状を発送した。呼び出し日は2月14日で、38人が地裁を訪れたが、選任手続きは行われず、公判期日は全て取り消された。

 関係者によると、整理手続きでは、男が撮影した動画について、裁判員の精神的負担に配慮する裁判官から促され、検察側が静止画にセリフをつけた書面での証拠提出を提案。弁護側は検察に都合の良い内容になっていると反発していた。

 さらに、裁判員候補者の呼び出し日が近くなってから、弁護側が被告の責任能力に関わる新たな証拠を提出。地裁は予定通り公判を開くのは難しいと判断したとみられる。地裁総務課は「裁判官の判断としか言えない」としている。

 現在も整理手続きは続いており、初公判の期日は未定だ。地裁は改めて別の候補者を呼び出し、選任手続きをやり直すとみられる。

 裁判員候補者への呼び出し状には、呼び出し日と公判期日が記載され、期日の予定も空けて選任手続きに臨む候補者が多い。元裁判官の波床昌則弁護士(和歌山弁護士会)は「公判予定ありきで候補者を呼び出したのではないか。選任手続きは争点と審理計画を確定させてから行うのが原則だ」と語る。

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