高市早苗氏が党員に文書郵送、「金のかからない選挙に逆行する」と批判の声…総裁選管が口頭注意

高市経済安全保障相が郵送した文書

　自民党総裁選に出馬する高市経済安全保障相（６３）が全国の党員らに自身の政策を訴える文書を郵送したことが明らかになり、党内で批判が出ている。「政治とカネ」の問題を踏まえ、総裁選挙管理委員会は４日、多額の費用がかかる文書の郵送などを禁じる通知を党内に出してるためだ。高市氏はルール違反ではないと主張するが、党内では「金のかからない選挙に逆行する」との声が相次いでいる。

　問題となっている文書は、高市氏が代表を務める選挙区支部が発送した「国政レポート」で、高市氏の写真や略歴、これまでの取り組みなどが掲載されている。高市氏側によると、禁止事項を選管が決める前に業者に送付手続きを済ませていたとし、「党の通知後に発送を止めようとしたが間に合わなかった」と説明している。高市氏は１１日、記者団に「文書では総裁選に一言も触れていない。規則には全く抵触していない」とも説明した。

　これに対し、選管の逢沢一郎・委員長は１１日、禁止した文書の郵送にあたるとして高市氏を口頭で注意し、「ルールに従って選挙に臨んでいただきたい」と記者団に語った。党内からは「正直者がバカを見るようなことは許されない」（ベテラン）と憤る声も出ている。