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米大統領選討論 批判合戦から新局面の論争へ

読売新聞 / 2024年9月12日 5時0分

 接戦が予想される米大統領選の行方を決定づける得点や失言はなかったが、候補の特性や政策の違いははっきりした。

 どちらが米国の指導者としてふさわしいかを、有権者が落ち着いて判断する材料になったのではないか。

 11月の大統領選に向けたテレビ討論会が行われた。6月の前回討論会後に民主党のバイデン大統領が撤退し、後を継いだハリス副大統領と、共和党候補のトランプ前大統領が初めて対決した。

 冒頭、ハリス氏はトランプ氏に歩み寄って握手を求めた。だが、いったん討論が始まると、トランプ氏の発言の矛盾やウソを鋭く指摘し、攻めの姿勢に転じた。

 ハリス氏は党予備選を経ずに大統領候補に決まった。その後は記者会見を開かず、大統領としての資質は「未知数」とされた。今回の討論会は、ハリス氏が真正面から所見を示す機会となった。

 一方、トランプ氏はメディアへの露出が多く、大統領候補としての討論会は今回で7回目となる。ハリス氏は経験豊富なトランプ氏に果敢に論争を仕掛け、ハリス氏自身の資質に対する不安を 払拭 ふっしょくすることに一定の効果を上げた。

 ハリス氏は、自身を「未来」、トランプ氏を「過去」を体現する候補だと位置づけ、前向きなメッセージを出すことに腐心した。

 経済や物価対策をめぐり、ハリス氏は「中間層や労働者層の生活を引き上げる計画を持つのは私だけだ」と述べ、トランプ氏は富裕層や大企業優先だと批判した。

 トランプ氏は、ハリス氏の政策は「バイデン氏のコピー」だと断じた。バイデン政権を副大統領として支えたハリス氏には「変化」を実現できないとも反撃した。

 外交政策でも違いが際立った。ロシアのウクライナ侵略について、トランプ氏は「大統領になる前に終わらせる」と述べたが、根拠を示さず、説得力を欠いた。

 ハリス氏は、トランプ氏の発言はロシアの侵略を認めて「諦める」ことだと批判し、ウクライナ支援や北大西洋条約機構(NATO)との協力を継続する考えを示した。同盟国重視の姿勢は、日本にも安心材料となるだろう。

 討論会後、若い世代に絶大な人気を誇る歌手テイラー・スウィフトさんがハリス氏支持を表明した。有権者の約2割とされる、投票先を決めていない穏健派や無党派層の動向が勝敗を左右する。

 今回の討論会を機に、政策の方向性や実行力で支持を競い合う選挙となることを期待したい。

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