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「紀州のドン・ファン」元妻、自らの口座に6800万円送金…検察側「莫大な財産のため完全犯罪」

読売新聞 / 2024年9月12日 20時8分

検察側の起訴状の朗読を聞く須藤被告(左、イラスト・構成 竹本佐治)

 2018年に和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた会社経営者野崎幸助さん(当時77歳)を殺害したとして、殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の初公判が12日、和歌山地裁であり、須藤被告は無罪を主張した。検察側は冒頭陳述で「完全犯罪で 莫大 ばくだいな財産を得るため殺害した」と主張した。

 起訴状では、須藤被告は18年5月24日、田辺市内の野崎さん宅で、何らかの方法で野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させて殺害したとしている。

 須藤被告は、殺人罪と、野崎さんに覚醒剤を使用したとする覚醒剤取締法違反で起訴されている。黒のノースリーブのワンピース姿で出廷し、罪状認否では「私は社長を殺していませんし、覚醒剤を摂取させてもいません」と述べた。

 公判では、野崎さん死亡の事件性の有無と、須藤被告が犯人かどうかが争点となる。

 検察側は冒頭陳述で、須藤被告は17年12月、知人の紹介で野崎さんと出会い、毎月100万円を受け取っていたと説明。18年2月に結婚したが、和歌山に定住せず、同3月に野崎さんから離婚届を渡されたとした。

 その頃、「老人 完全犯罪」「覚醒剤 過剰摂取」などとインターネット検索し、4月に密売サイトで致死量の覚醒剤を注文したと言及。自宅で野崎さんと2人きりだった時、口から覚醒剤を摂取させたと述べた。

 野崎さんの死亡後は、家族や友人に、捜査に協力しないよう依頼したと指摘。野崎さん個人と経営会社の財産を自身の口座に計約6800万円送金していたとも述べた。

 その上で「野崎さんに自殺の動機はない一方、須藤被告は覚醒剤の入手を試み、死亡前に自宅で2人きりだったことから、被告以外の犯行とは考えがたい」と主張した。

 一方、弁護側は「遺産を狙った殺人を思い浮かべるのは、ドラマや小説で見るからだ。本当に事件なのか。須藤被告が犯人なのか」と反論。「野崎さんに知られず覚醒剤を飲ませることは可能なのか。疑問が残るなら無罪にしないといけないのが刑事裁判のルールだ」と訴えた。

 野崎さんが死亡した当日の須藤被告の行動については「被告人質問で(須藤被告が)語る」と述べ、説明しなかった。

 公判は23日間あり、判決は12月12日に言い渡される。

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