前夜の逆転劇は「一つの四球が致命傷」と分析した巨人・阿部監督、8回のピンチに迷わず大勢投入
読売新聞 / 2024年9月13日 6時0分
巨人5―0広島(セ・リーグ=12日)――巨人が3連勝。三回、敵失と坂本、岡本和の適時打で先行し、九回に丸の2ランで加点した。戸郷はピンチで粘り11勝目。広島は再三の得点機を生かせず、4連敗。
巨人の阿部監督は、首位攻防3連戦に臨む選手たちへ「決め事を自分に課して戦おう」と声を掛け、送り出したそうだ。指揮官自身も、執念の手綱を緩めなかった。3点リードで迎えた八回のピンチで、抑えの大勢を送り込んだ。
前夜、広島の守護神・栗林の乱調に乗じて九回に9点を奪う逆転劇で連勝を飾った。興奮した選手たちの叫び声が試合後のベンチ裏に響く中、監督は「一つの四球が致命傷になる時がある」と冷静に再認識した。だからこそ、八回に3番手のバルドナードが二死一塁から四球で傷口を広げると、迷わず交代を告げた。
大勢も思いを受け取った。「『行くぞ』と感じたので、その勢いに乗っかって投げた」。末包を投ゴロに打ち取り、ピンチを脱すると、今季初の「回またぎ」となった九回も、三者凡退に仕留めて締めくくった。
今回の3連戦では、普段は若手の役割になることが多い試合前の「声出し」で、35歳の丸が円陣の真ん中に立った。広島、巨人での優勝経験があるベテランは「優勝した時は、どんな状況であれ、その場面、その場面でチーム全体が自分の仕事をできていた」と若手に説いた。
この日の三回に奪った敵失絡みの3点も、先頭の浅野が甘い球を逃さず、門脇が絶妙なバント安打を決めて、相手に重圧を掛け続けたから生まれた。
マツダスタジアムでのカード3連勝はリーグ制覇した2020年以来。13日のヤクルト戦に勝てば、広島とDeNAの結果次第で巨人に優勝へのマジックナンバーが点灯する。地に足をつけ、4年ぶりのペナント奪還へと突き進む。(財津翔)
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