ボーイング16年ぶりにスト突入へ、賃上げ合意できず…前回は50日間・経営にさらなる打撃か
読売新聞 / 2024年9月13日 15時30分
【ニューヨーク=小林泰裕】米航空機大手ボーイング最大の労働組合「国際機械工労組」は12日、13日からストライキに突入することを決めた。ボーイングにとって16年ぶりのストという。機体の品質問題で経営不振に陥っている同社にとって、さらなる経営への打撃となる恐れがある。
発表によれば、ボーイングの従業員3万人以上が加盟する同労組は12日に実施した投票で、96%の賛成でストの実施を決めた。ストの実施には3分の2の賛成が必要だった。米西部ワシントン州シアトル近郊などの工場がストの対象となり、同社の航空機生産の大半が停止する見通しという。
ボーイングは8日、同労組の執行部と、4年間で25%の賃上げなどを含む新たな労働協約の締結で暫定合意した。同労組はもともと40%の賃上げを求めていたが、最終的に譲歩した。インフレ(物価上昇)の進行を十分に反映していないとして、組合員の間で協約に対する不満が高まっており、12日の投票では協約への反対票が95%に上った。
08年に起きた前回のストは50日間続いた。米メディアによれば、今回も同程度の期間ストが実施された場合、ボーイングに30億ドル(約4200億円)以上の損失が発生するという。
ボーイングは2018~19年に2度起きた主力の小型機の墜落事故などによって受注が低迷し、5年連続の最終赤字に陥っている。ストによって工場での機体生産が止まれば、業績回復がさらに遅れることになりかねない。
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