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筑波山塊の花崗岩、国内初の「世界のヘリテージストーン」認定…迎賓館赤坂離宮や日本橋で使用

読売新聞 / 2024年9月15日 8時55分

「筑波山塊の花崗岩」の主な岩石。左から、筑波花こう岩、加波山花こう岩(真壁石)、稲田花こう岩(稲田石)

 茨城県の筑波山地域で産出される「筑波 山塊 さんかい 花崗岩 かこうがん」が、国際地質科学連合(IUGS)から、世界のヘリテージストーン(天然石材遺産)に認定された。産地は「筑波山地域ジオパーク」(つくば、石岡、笠間、桜川、土浦、かすみがうらの6市のエリアで構成)に含まれており、地域全体の知名度向上に期待がかかる。(赤松正基)

 ヘリテージストーンは、国際的価値が高くて人類との関わりが古い天然石材を認定するプログラム。産地の地質学的特徴や石材の特性、文化的活用の歴史を後世に残すことが目的だ。「筑波山塊の花崗岩」は7月6日に、日本国内で初めて認定された。現在世界では55件が認定されている。

 「筑波山塊の花崗岩」は、国内では産地にちなんで「真壁石」(桜川市)や「稲田石」(笠間市)と呼ばれている石材。国宝の迎賓館赤坂離宮(東京都港区)、国指定重要文化財の日本橋(同中央区)、建築家・磯崎新氏が設計したつくばセンター広場(つくば駅前)などで使われている。

 認定の申請作業を担ったつくば市ジオパーク室の杉原薫専門員によると、山岳信仰や鎌倉時代の高度な石材加工技術の伝来、江戸時代の神仏習合が、地蔵像や灯籠など地域の石造物文化を育んだ。

 明治以降、地質調査により、石材としての価値が認識されるようになった。東京に近い立地から鉄道網整備とともに石材業が盛んになり、近代建築の礎になった。現在、三つの主立った石材組合があるほか、「真壁石燈籠」づくりの技術は伝統工芸師らによって継承されている。

 産地は、地質や景観を保全しつつ教育や観光などに活用する「筑波山地域ジオパーク」内にある。杉原専門員は「地域全体がつながっていたからこそ、地質や歴史、文化に関する資料がそろっていて申請できた。石は生活の基盤にもなっており、持続可能という観点から、関係者と一緒に今後の方向性を考えていきたい」と話している。

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