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山上徹也被告の成育歴など調べる「情状鑑定」、奈良地裁が却下…安倍元首相銃撃

読売新聞 / 2024年9月14日 10時33分

山上徹也被告(2023年2月撮影)

 2022年7月に安倍晋三・元首相(当時67歳)が奈良市内で銃撃され死亡した事件で、殺人罪などで起訴された山上徹也被告(44)の弁護団が、成育歴などを調べる情状鑑定を請求し、奈良地裁が却下していたことがわかった。弁護団が明らかにした。

 奈良地検は捜査段階に、刑事責任能力の有無や程度を調べる精神鑑定を行うため、山上被告を鑑定留置。結果、刑事責任を問えると判断し、23年1、3月に殺人罪など計五つの罪で起訴した。同10月以降、公判前整理手続きが4回行われているが、公判日程は決まっていない。

 情状鑑定は、成育歴や人格形成の過程を分析して事件への影響を調べるもので、鑑定結果は、量刑判断の材料となる。

 山上被告については、10代の頃、母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に高額な献金を行い、その後、自己破産。山上被告は逮捕後の調べに「教団に恨みがあり、安倍氏はつながりがあると思った」と供述していた。

 弁護団は、こうした成育歴の解明が適切な量刑判断に必要だとして情状鑑定を請求。地裁の却下決定に対し、異議を申し立てたが、棄却されたという。弁護団は「別の立証方法を検討する」としている。

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