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デビュー40周年の爆風スランプ、「やらない理由はない」と再集結…新曲は生きがい問うファンクロック

読売新聞 / 2024年9月14日 14時35分

中野くん(左から2人目)のバンド再集結の呼びかけに、3人とも二つ返事で快諾したという。「わだかまりも何もないので」と河合(同3人目)は語る(左端は和佐田、右端は末吉)

 長く活動休止していた爆風スランプが、デビュー40周年を機に再集結した。「解散は宣言していないし、やらない理由はない」というボーカルのサンプラザ中野くんによる呼びかけで再始動。新曲「IKIGAI」を配信発表し、ベスト盤リリースやライブツアーも控える。(北川洋平)

88年に「Runner」大ヒット

 1984年デビュー。巧みな演奏やユニークなパフォーマンスで人気を広げ、中野くんの力強い歌唱による青春ソング「Runner」が88年に大ヒットした。以降も「リゾ・ラバ」「大きな玉ねぎの下で」などを世に届け、音楽シーンを盛り上げた。

 99年4月に活動休止を発表していたが、40周年の節目に合わせて活動を再開した。中野くんは「昔の曲をファンに向けて同窓会みたいなことをやっても面白くない。まずは世の中にメッセージをぶつけるような曲を作ることにした」と振り返る。

 そして完成させた26年ぶりの新曲「IKIGAI」は、海外で注目されている日本語を主題に取り上げ、今を生きる人々に生きがいを問う力強いファンクロックだ。バーベQ和佐田の怒とうのスラップベースから始まり、パッパラー河合のしなやかなギター、ファンキー末吉の力強いドラムが躍動する。「みんな変わってなかったですよ。音や特徴も同じだし。本当に楽しい」と河合が語る。

 語り調の個性的なラップを聴かせる中野くんは「今の世の中、中高年を中心に価値観が『収入』寄りになっていて、未来に不安を感じがち。みんな生きがいを忘れちゃったんじゃないかな。この曲でぜひ再認識してほしい」と力を込める。

 メンバーに生きがいを尋ねると、中野くんは「歌い続けること」、河合は「キレのある動き」。和佐田は「ベースを弾くこと」、そして末吉も「ドラム道の追求」と即答してくれた。

ベスト盤、ツアーも

 10月23日にはベストアルバム(ソニー)も発表する。中国語版の「Runner」やアルバム版「IKIGAI」など、メンバーの選曲による23曲を収録した。さらに、東京など3都市4公演のツアーにも出る。

 勢ぞろいすると、どこか楽しげな雰囲気が漂う。ほかの3人より後に加入した和佐田は「爆風はバンド愛の塊」、中国でも活動してきた末吉は「現地ですごいバンドとして知れ渡っているので、ライブはプレッシャーだな」。中野くんが「起業に例えると爆風は非常に成功した事例なので、もう一回、経営者的な目線で関わりたい」と冷静に語る中、河合は「このバンドの維持が生きがいだな」とぽつり。熱い思いで再び走り出した4人。いつかたどり着いた先に、何かを打ち明けてくれるのかもしれない。

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