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高松市のイノシシ出没、昨年度超え…柿や栗など秋の味覚求め今後も増える恐れ

読売新聞 / 2024年9月15日 9時14分

 高松市の市街地で、イノシシが頻繁に出没している。目撃した住民らによる通報件数は今年度、144件(今月10日時点)で、昨年度1年間の120件を既に上回り、異例の多さだ。イノシシとぶつかって人が負傷する被害も発生。例年、秋から冬にかけて、餌を求めて街中に近づきやすくなるといい、注意が必要となる。(尾崎達哉)

 市農林水産課によると、市内のイノシシに関する通報件数は2019年度以降、213~292件で推移し、23年度は120件と少なかった。しかし、今年度は大幅に増える見通しで、市は直近5年間の件数などから、年間で400件近くに上ると推計している。

 目撃情報が目立つのは屋島周辺の屋島東町・中町・西町。4~8月の通報件数が25件と、直近5年間の平均件数(10・4件)の2倍以上で、例年にないペースで報告されている。峰山町や香川町でも同様の傾向が出ているという。

 また、4~7月に市内で捕獲された成獣は282頭と、23年度同期比81%の増加となっている。

 増えている要因について、農林水産省の農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーを務める阿部豪さんは、「昨年度はドングリなどの餌が山に豊富で、人里に近づく個体が少なかったが、今年度は個体数の増加や、山の餌が少ないことで出没するようになったのかもしれない」と分析する。

 影響も出ている。牟礼町では今月1日、夫婦で夜釣りをしていた女性(25)が、後ろから体長約1メートルとみられるイノシシに体当たりされて転倒。脇腹を打つなどのけがをした。

 6日には宮脇町の栗林トンネル北側出口付近で、イノシシと車が衝突する事故が発生。付近には、衝突したイノシシも含めて、計6頭いたという。運転手にけがはなかった。

 8月以降、観光客に人気の栗林公園の園内でも度々、目撃されており、一部通路の通行禁止や注意喚起の看板を設置するなどの対応が取られた。

 今後について、阿部さんは、秋は柿や栗といった餌を求めて住宅地周辺に現れることが増える恐れがあるとし、「夜間の散歩を控えたり、登下校を集団で行ったりするなど注意が必要だ」と指摘する。

 市は、目撃情報があった現場付近の山中に捕獲用のワナを設置するなど、対策を実施している。同課は「イノシシを見かけたら、刺激せずに、ゆっくり後退し立ち去り、自治体への連絡や、緊急時は110番してほしい」としている。

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