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あってよかった「内定者サポート」 採用担当者は「Z世代の内定ブルー対策」に苦慮

J-CASTニュース / 2024年9月14日 12時0分

あってよかった「内定者サポート」 採用担当者は「Z世代の内定ブルー対策」に苦慮

「内定者サポート」は重要だ

10月1日の内定解禁を前に、2025年卒の就活が大詰めを迎えている。オトバンクがZ世代の先輩社会人500人を対象とした調査によると、企業が入社前に実施する「内定者フォロー」について、回答者の89.2%が「あってよかった」と回答した。

あってよかった理由(複数回答)では「会社から歓迎されていると安心できたから」が54.8%と最も多く、「社会人として必要な知識やマナーを知ることができた」の48.7%、「入社後の仕事や生活についてイメージできたから」の39.2%が続いている。

売り手市場で「もっといい会社に入れたはず?」

調査の回答者は、20~28歳の会社員。

内定者サポートに「あってよかったとは思わない」と否定的に答えた人は10.8%と少数だったが、その理由には厳しい意見が寄せられた。

まず「研修や課題の内容が興味のないもの、役に立たないものだった」という理由が45.8%(複数回答)と最も多く、「時間的拘束が多くて負担だった」が37.5%、「何のための研修やフォローかわからなかった」が29.2%あった。

そもそも内定者サポートとはどんな目的で行われているのだろうか。

都内のIT企業で採用を担当するAさんによると、主なねらいは入社前の「内定ブルー」対策であるという。

「内定者の中には、入社前に『本当にこの会社でいいのだろうか』『社会人としてやっていけるだろうか』といった不安を抱える学生が少なくありません。特に近年は売り手市場なので、内定を得てホッとすると同時に『自分はもっといい会社に入れたはずでは?』という疑問とともに、内定ブルーをこじらせる人がいるのです」

「内定ブルー」に企業が適切なサポートを行わないと、就活生が抑うつ状態に陥ってしまうことがあるという。

「私たちが一番恐れているのは『内定辞退』と『入社直後の退社』です。採用活動が水の泡ですし、何より選考でお断りした学生さんたちが気の毒です。未来ある本人のキャリアの汚点になるおそれもあり、それを防ぐ内定者サポートには、かなり力を入れているつもりです」

「SNSグループを作ったり、ニュースレターを流したり」

「内定ブルー」のこじらせには、「自由な学生生活が終わってしまうのが嫌」といったさみしさや、「自分は本当に社会人としてやっていけるのだろうか」といった不安も引き金になっているという。

「今回の調査結果で『会社から歓迎されていると安心できた』がトップになったのは、ちょっと頼りない気もしますが、Z世代の不安のケアが大事という証拠でしょうね。もちろん、そんなことは不要という自立した人もいるでしょうけど。次点の『社会人として必要な知識やマナー』も、やはり不安を払拭する有効策になるんだなと感じました」

なお、前述の調査結果によると、内定者フォローで学びたいこと(複数回答)では、「入社後の仕事に関連する知識やスキル」が39.0%、「社会人スタートに向けての心構え」が38.2%、「社会人として必要な知識やマナー」が38.0%となっている。

Aさんは、知識やスキルが大事なのは当然だが、その伝え方も工夫しているという。

「集合研修だけでなく、内定者SNSグループを作ったり、そこに社内情報をまとめたニュースレターを流したり。また、若手社員の動画を共有したり、若手社員をメンターとして割り当ててオンラインの1on1を強化したり。会社に定着してもらうために、いろいろ工夫が必要な時代になっているんだと思います」

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