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北陸新幹線延伸から半年、福井の観光・ビジネス活況…恐竜博物館の来館者最多・大規模会議も増加

読売新聞 / 2024年9月15日 11時30分

北陸新幹線のルート

 北陸新幹線の金沢―敦賀(福井県敦賀市)間の延伸開業から16日で半年となる。新たに沿線となった福井に観光、ビジネス両面で効果をもたらしたほか、東海道新幹線が運転を見合わせた際の大阪―東京間の 迂回 うかいルートとしても活用されている。(福井支局 川上大介、高山智仁)

 「恐竜一推しできたが、(福井の)認知度が非常に上がっている」。福井県の杉本達治知事は6日の記者会見で、延伸開業に合わせて主に関東で行ってきたPR活動への手応えを示した。

 県内には、芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の4駅が誕生した。県などは、多数の恐竜化石が発掘された「恐竜王国」を猛アピール。福井駅前には、肉食恐竜「ティラノサウルス」の実物大ロボット(体長約12メートル)など22体を整備した。

 県立恐竜博物館の来館者数は、再オープンした昨年7月からの1年間で約118万人と過去最高を記録。延伸開業後は関東、甲信越からの来館者が全体の25・5%を占め、延伸前から5・5ポイント増加した。

 学術や経済関係の大規模会議の開催も増えた。県内で50人以上が参加する会議は2023年度、80件だったが、延伸開業後の今年度は約130件に達する見通しだ。

 関西方面の在来線特急「サンダーバード」から北陸新幹線に乗り継ぐ敦賀駅では、途中下車して観光する人が目立つ。駅前の土産物店「おみやげ処 敦賀かわと」は、売り上げが5倍近くに増えたといい、店主の河藤正樹さん(55)は「新幹線がにぎわいを運んでくれた」と喜んだ。

 一方、延伸開業後の県内の宿泊者数は、コロナ禍前の19年を1割ほど下回っている。訪れた後、そのまま移動する観光客が多いとみられる。

 北陸新幹線に詳しい仁愛大の南保勝・特任教授(地域経済学)は「どのように開業ブームを維持するかが課題だ。恐竜以外の多様な沿線の魅力を発信する工夫が必要になる」と指摘する。

「東海道」迂回ルートにも

 東海道新幹線が運行を見合わせた際、北陸新幹線を使って関西と東京を行き来する人が増えつつある。

 JR西日本によると、台風7号、10号が接近した影響で東海道新幹線のダイヤが乱れた8月16、30、31日、9月1日の4日間、北陸新幹線では臨時列車計14本を運行した。新大阪から東京まで「サンダーバード」と北陸新幹線で移動すると倍ほど時間がかかるが、それでも利用客が集中した。

 8月31日、敦賀駅のホームは、北陸新幹線を待つ人で混雑した。出張先の京都から帰宅するという横浜市の男性(24)は「東海道新幹線の運休で京都に足止めされていた。仕事に影響が出るのでこれ以上は待てません」と話した。

 北陸新幹線は敦賀―新大阪間が未着工。途中に東小浜、京都、松井山手の3駅が設置される。早ければ26年3月頃にも工事の実施計画が認可される。

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