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「解雇自由化」批判噴出で「防戦モード」 小泉進次郎氏の「解雇規制緩和」論、真意はどこに

J-CASTニュース / 2024年9月16日 12時0分

「解雇自由化」批判噴出で「防戦モード」 小泉進次郎氏の「解雇規制緩和」論、真意はどこに

小泉進次郎氏が提唱する解雇規制のあり方も大きな論点のひとつだ(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

自民党の総裁選(2024年9月12日告示、27日投開票)に立候補した小泉進次郎元環境相(43)が提唱する、解雇規制の見直しをめぐる発言が微妙に変化しているようだ。

解雇規制の見直しをめぐっては、実質的な「解雇自由化」ではないかなどとする指摘が相次ぎ、反発の声も上がっていた。

出馬表明では「4要件を満たさないと人員整理が認められにくい状況を変えていく」

人員削減のための解雇に伴う整理解雇については、過去の判例から確立された(1)人員整理の必要性(2)解雇回避努力義務の履行(3)被解雇者選定の合理性(4)解雇手続の妥当性、の4つの要件をすべて満たす必要があると考えられている。

小泉氏は6日に行われた出馬表明の記者会見で大企業を指して「4要件を満たさないと人員整理が認められにくい状況を変えていく」と主張。

特に「解雇回避努力義務の履行」について「今は『希望退職者の募集』とか『配置転換などの努力を行うこと』という風にされているが、私はこれにリスキリング、そして学びなおし、再就職の支援、こういったことを企業に義務付ける」ことを提案し、労働市場の流動性を高め「必要な方が必要なところで活躍しやすい」環境を整えたいと語っていた。

小泉氏の主張をめぐっては、「実質的な解雇自由化では」「働き手の立場ではなく、企業側の視点での改革ではないか」などとする指摘が相次いだ。13日に行われた候補者共同記者会見では、対立候補からも多くの指摘が飛んだ。

批判続々...「働く人を不安にさせかねない」

加藤勝信元官房長官は、解雇規制の緩和について「今の規制のベースは最高裁における4要件、これがベースになっている。今後こうした議論をするにあたっても、やはり大事にするのはそこで働いてる方々、そういった方々の立場。そして『思い』。これを踏まえて議論していくことが第1だ」とした。

石破茂元幹事長は、「懲戒解雇はともかく、整理解雇の場合には『企業としてそれを回避する努力をどれだけしたか』いうことも問われる。そこにおいて非正規の社員がどうなるか、パート・アルバイトがどうなるか。それを削減するということになると、時代と逆行する点が出てくる」と指摘した。

小林鷹之前経済安保相は、「安易な解雇規制の緩和につきましては、働く人を不安にさせかねないし、格差を固定しかねない。場合によっては拡張しかねないので、私は慎重であるべきだと考えている」とした。

高市早苗経済安全保障相は、「整理解雇の場合は、労働判例が積み上がってきている中で、この4つの要件が確立されている。これを非常に短い期間の議論によって立法をして、その判例を覆すというのは容易なことではない」としている。

こうした主張に対し、小泉氏は「解雇の自由化を言っている人は、私も含め誰もいないと思います」と否定した。

その上で、「新卒で就職をしたら終身雇用まで40年間、この柔軟性のない労働市場が令和の時代もこのまま続いていった時に、長年の課題である正規・非正規の格差の解消・是正、ここにつながらないという問題意識が強くある」と主張した。

9月14日には働き手の立場にも言及

当初の主張から若干トーンダウンしてように見える小泉氏は、14日の自民党総裁選立候補者討論会でも具体例を挙げ、解雇規制の見直しに言及した。出馬表明では触れていなかった働き手側の立場についても言及している。

「例えば大企業で整理解雇を100名しなければならない、そういったことがあったとする。40人はその企業の中での配置転換だ。そして60名は、今は雇用保障がない。そのまま首を切られる。私がやるべきだと言っていることは、そこ(雇用保障がない60名)に対してリスキリング、そして再就職の支援、これをしっかり提供する義務を、企業に対して義務づける。そのことによって外部市場経済と労働市場をしっかりと結びつけていくということをやっていくことでもある」

解雇規制を見直すことで、「今必要な成長産業に、人がしっかりと移動できる」「今のままだったら首を切られてしまう人に、より安心した企業の役割を新たに義務けることを考えている」などとした。

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