1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

伊勢崎3人死亡事故、起訴内容に飲酒運転含まれず…遺族「怒りとショックと『なんで』という気持ち」

読売新聞 / 2024年9月17日 21時30分

危険運転致死傷の適用を訴える(左から)塚越さんの兄、妻(16日、前橋市で)

 「飲酒して3人の命を奪っているのに、過失で済むのか」――。群馬県伊勢崎市の国道17号で5月に家族3人が死亡した事故で、遺族が16日、記者会見を開いた。飲酒運転していたとして逮捕されたトラック運転手の男が自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)で起訴されたことに怒りをあらわにした。危険運転致死傷の適用を訴える署名活動なども検討するとしている。(日野響子)

 事故では、前橋市樋越町、会社員塚越寛人さん(当時26歳)と長男湊斗ちゃん(同2歳)、塚越さんの父で渋川市赤城町宮田、会社員正宏さん(同53歳)が死亡した。同日に前橋市内で行われた記者会見では、塚越さんの30歳代の妻と双子の兄(26)、祖母(78)の3人が出席した。

 起訴内容には飲酒運転は含まれておらず、妻は「怒りとショックと『なんで』という気持ちが強い」と語気を強めた。「明らかに飲酒している。このままでは、本人たちも悔しいだろうし、私たちも到底納得できない。捜査を継続し、なんとか危険運転にしてほしい」と訴えた。

 飲酒により正常な運転が困難な状態で事故を起こした場合に適用される危険運転致死傷は法定刑の上限が懲役20年だが、過失運転致死傷は懲役7年となる。

 兄は「3人の命を奪ったのに過失で済むことに対し、やるせない気持ちでいっぱい。何のための法なのか」と憤り、祖母は「『うそよね』と信じられなかったが、捜査にゆだねるしかない。信じて期待している」と語った。3人は過失運転致死傷で起訴されたことについて納得できておらず、亡くなった3人に「報告できていない」と話した。

 過去の事故では、署名活動などにより過失運転致死傷から危険運転致死傷に訴因変更されたケースもあり、遺族らは署名活動などを検討している。妻は「私たちにできることは何でもしていきたい。なんとかして危険運転にできるように動いていきたい」と力を込めた。

 事故は5月6日夕、伊勢崎市境上矢島の国道17号で発生。トラックが中央分離帯を越えて乗用車2台に衝突し、塚越さんら3人が死亡するなどした。県警は8月20日、トラックを飲酒運転したなどとして、吉岡町下野田、会社員鈴木吾郎被告(69)を危険運転致死傷で逮捕した。だが、前橋地検は今月10日、過失運転致死傷で起訴し、飲酒運転について同地検は「今後も捜査を継続する」としている。

 遺族らは会見で、鈴木被告の勤務先の運送会社に対し、管理責任を問う損害賠償請求訴訟を起こす意向を明らかにした。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください