パリを沸かせたアスリート、表彰台で輝いた笑顔〈関西発 月イチ! SPORTS〉
読売新聞 / 2024年9月18日 6時0分
海外の夏季五輪ではともに過去最多となる金20個、総数45個のメダルを獲得したパリ五輪。表彰台に上った主な関西出身選手を紹介するほか、大会を取材した記者が感じた五輪の魅力を伝える。
妹の分までやり切る
金3個を含む8個のメダルを獲得した「お家芸」柔道では神戸市出身の阿部一二三選手(27)が男子66キロ級で連覇を達成。自らの本番前、妹の
ともに出場した混合団体では前回の東京大会に続き決勝でフランスに敗れたが、兄妹合わせて3個のメダルを獲得。前人未到の4連覇を目指す一二三選手はもちろん、詩選手も帰国後「必ずリベンジしたい」とロサンゼルス五輪挑戦を表明。今大会はかなわなかった「兄妹優勝」の夢が膨らむ。
混合団体では大阪市出身で男子の斉藤
「ノースプラッシュ」でメダルつかむ
水泳の飛び込みでは、兵庫・須磨学園高3年で兵庫県宝塚市出身の玉井陸斗選手(18)が日本勢初のメダルをもたらした。男子高飛び込みでは途中で順位を落としたが、最終6本目で得意技をほぼ水しぶきのない「ノースプラッシュ」で決めて銀メダルをつかんだ。
五輪後も全国高校総体や日本選手権で圧倒的な演技を披露。同選手権で優勝した今月1日には「ロス五輪はもちろん、来年の世界選手権でも金メダルを取れるように完成度を上げていきたい」と先を見据えた。
大会終盤にメダルラッシュで国内を沸かせたレスリングでは、大阪府茨木市出身の樋口
今月4日に大阪市内で開かれた出場報告会では「たくさんの方にメダルを触っていただき、多くの人に応援されていたんだと実感した」と笑顔を見せた。京都府京丹後市出身で、男子フリー74キロ級の高谷大地選手(29)も銀メダルを手にした。
躍動した剣士たち
フェンシングでも関西勢が躍動した。女子では和歌山市出身の東
金メダルを獲得した男子フルーレ団体で、最年少ながら決勝戦の最終第9試合を担うアンカーを務めたのは京都市出身の飯村一輝選手(20)。持ち前のスピードを生かして勝利に導き、個人でも4位に入った。次代のエースは「これからもフェンシング界を先導していきたい」と、4年後に向けた活躍を誓っている。
馬術の総合馬術団体では神戸市出身の北島隆三選手(38)が「初老ジャパン」の一員として銅メダル獲得の快挙に貢献した。(後藤静華)
「言い訳なし、限界なし」の障害者ダンスチーム
エッフェル塔を望むパリ五輪のブレイキン会場が選手のダンスに劣らず沸いた瞬間があった。試合の合間に登場した障害者チーム「イル・アビリティーズ」が踊り始めた時だ。
「言い訳なし、限界なし」を掲げる彼ら。代表格でブラジル出身のサミュエル・リマ選手(ダンサー名SAMUKA)は14歳の時、悪性腫瘍で右脚を付け根から失った。舞台では片脚で後方宙返りし、
3月の国際大会では後のパリ五輪王者を破って優勝。脚を切断した当初「誰からも見えない存在になること」を願った彼は、ステージで脚光を浴びる存在となった。独創性が尊ばれる競技の象徴的存在として、五輪で初めて競技を目の当たりにした人の心もつかんでいた。
改めてリマ選手の「片脚の人も、片手だけ持っている人も、何もない人も関係ない。みんな違っていい」という言葉がストンと胸に落ちた。多様性を雄弁に語れる競技が次の五輪で外れるのは残念だが、今回残した足跡は小さくない。(井上敬雄)
(関西発 月イチ! SPORTSは、スポーツを「楽しむ」ための様々なトピックを掲載します)
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