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青森の旧家・宮越家のふすま絵、大英博物館の所蔵品と「対」と判明…江戸初期の狩野派作品か

読売新聞 / 2024年9月17日 21時51分

宮越家に所蔵されていたふすま絵(17日、青森県中泊町で)

 青森県中泊町の旧家・宮越家にあるふすま絵が、英ロンドンの大英博物館が所蔵するふすま絵と「対」であることがわかったと、町教育委員会が17日に発表した。いずれも江戸時代初期の狩野派の作品と推定され、専門家は美術品移動の歴史などの解明を期待している。

 町教委などによると、宮越家のふすま絵は、宮越家9代目当主が大正時代に建てた離れに飾られていた。全18面のうち、4面の表に花鳥図が、裏に風俗山水図が描かれている。元々は奈良県の神社の所蔵だったが、明治維新後、廃仏 毀釈 きしゃくの混乱の中で売りに出され、大正時代に宮越家が購入したと伝えられてきた。

 昨年、ふすま絵の画像を見た元京都国立博物館主任研究員の山下善也さんが「どこかで見たことがある」と感じ、1987年に東京・国立博物館で展示された大英博物館所蔵の花鳥図と描き方などが似ていることを思い出した。

 調査を進めるうち、大英博物館の花鳥図の右側と、宮越家所蔵の花鳥図の左側がつながること、ふすまについている引き手が同じであることがわかった。大英博物館の絵は秋冬の、宮越家の絵は春夏の風物がそれぞれ描かれ、合わせて四季を表現しているという。狩野派の絵師が慶長・元和年間(1600~24年)に描いたとみられるが、現時点で作者は特定できていないという。

 調査では、宮越家の他のふすま絵が、米シアトル美術館所蔵のふすま絵とも関連があることもわかった。記者会見で山下さんは「ふすま絵が地球規模で移動し、世界各地で愛されているのはすてきなことだと思う」と話し、大英博物館学芸員(日本美術)のロジーナ・バックランドさんも「すばらしいことだ。発見は、描いた絵師などに新たな光を当てるものとなる」とするコメントを公表した。

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