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知床観光船「カズワン」の社長を逮捕、死亡の船長も書類送検…運航を中止する義務を怠った疑い

読売新聞 / 2024年9月18日 23時56分

運航会社社長の逮捕について記者会見で説明する第1管区海上保安本部の蠣崎孝司刑事課長(左)ら(18日午後2時5分、北海道小樽市で)=原中直樹撮影

 北海道・知床半島沖で2022年4月に発生し、乗客乗員26人が死亡・行方不明となった観光船「KAZU I(カズワン)」の沈没事故で、第1管区海上保安本部は18日、運航会社「知床遊覧船」社長の桂田精一容疑者(61)を業務上過失致死と業務上過失往来危険の容疑で逮捕した。船長(当時54歳)も容疑者死亡のまま、同容疑などで書類送検する方針。発生から2年5か月となる中、事故は刑事事件へと発展した。

 カズワンは22年4月23日午前10時頃、天候の悪化が予想される中、斜里町のウトロ漁港を出航。知床岬で折り返した後、午後1時半頃に半島西側の「カシュニの滝」付近で沈没した。乗客18人と船長、甲板員(当時27歳)の計20人が死亡し、行方不明となった乗客6人も、後に死亡届が提出された。

 1管本部の発表では、桂田容疑者は当時、船長と連絡を取り判断を支援する「運航管理者」などを兼任。運航を中止する義務があったのに、これを怠り事故を招いて26人を死亡させた疑い。認否は明らかにしていない。

 同社の安全管理規程では、気象状況などに応じて、運航管理者が運航中止を指示すると定められていた。1管本部幹部は、中止させる義務を怠ったのが大きな過失の一つだとしている。任意の事情聴取を重ねてきたが、結果の重大さなどを踏まえて逮捕に踏みきった。

 捜査関係者によると、1管本部は、事故原因の解明のため、引き揚げた船体の鑑定などを実施。船首甲板のハッチが悪天候による波の影響で開いたことなども確認し、海水が機関室まで入って沈没に至ったと結論づけた。

 国の運輸安全委員会も昨年9月、ハッチの蓋に経年劣化や緩みがあり、船内に海水が流入したことが直接の原因だとする最終報告書を公表。桂田容疑者についても、船の運航に関する知識や経験がなかったなどと指摘していた。

 事故を巡っては、乗客のうち14人の家族29人が今年7月、桂田容疑者と知床遊覧船を相手取り、計約15億円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴している。

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