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中国・深センで日本人学校児童刺した44歳の男を拘束…男児は手術、副報道局長「全力で救命している」

読売新聞 / 2024年9月19日 0時5分

18日、深センで日本人学校の男子児童が襲われた現場付近を警戒する治安要員ら=大原一郎撮影

 【深セン=鈴木隆弘、田村美穂】在広州日本総領事館によると、中国南部・広東省深セン市で18日午前8時(日本時間同午前9時)頃、深セン日本人学校の男子児童が歩いて通学途中に男に襲われた。男児は刺されて負傷し、搬送先の病院で治療を受けている。警察当局は容疑者の身柄を確保し、取り調べている。

 中国外務省によると男児は10歳。腹や脚に大きな傷を負ったという目撃情報もあり、総領事館によると手術を受けた。警察は、容疑者を44歳の男と発表した。動機は不明。

 深セン日本人学校は18日から臨時休校した。中国各地の日本人学校でも当局が警備を強化し、日本人社会に不安が広がった。日本政府は中国政府に対し、情報提供、日本人の安全確保、再発防止を強く求めた。

 中国外務省の 林剣 リンジエン副報道局長は18日の記者会見で「全力で救命している。外国人の安全のため効果的な措置を取る」と述べたが、事件の背景は説明しなかった。

 金杉憲治・駐中国大使は18日夜、北京で「中国側から詳細な説明はない。邦人コミュニティー全体の危機意識を受け止めた上で適切に対応してほしい」と報道陣に語り、真相究明を求めたと明らかにした。

邦人社会に衝撃…6月にも襲撃事件

 中国では6月にも、東部の江蘇省蘇州市で日本人母子ら3人が刃物を持った中国人の男に襲われる事件があり、日本政府が中国当局に邦人安全確保を申し入れていたばかりで、深セン市の事件は邦人社会に衝撃を与えている。

 複数の目撃者によると男児は腹や脚に大きな傷を負い、大量の血が出ていた。母親とみられる女性が手を真っ赤にして中国語で「私の子に何をするの」「助けて」と叫んでいたという。

 息子が同じ学校に通う40歳代の主婦の女性は「普段よく通る道で怖い。今後は日本人とわかるランドセルでは登校させない」と話した。7歳と1歳の子を育てる主婦(36)も「外では日本語を話さないようにする」と心配そうに話した。

 深セン市はハイテク産業が集積し、日本企業も多く進出しており、反日感情は薄いと考えられていた。近くに住む40歳代の中国人男性は「こんな事件は誰も望まない」と憤った。

 18日は、満州事変の発端となった柳条湖事件の発生から93年にあたる日で反日感情が高まりやすいタイミングだった。SNSには「国辱を忘れるな」などの投稿が相次いだ。

 6月の事件後、中国のIT大手各社は、SNSで反日感情をあおる投稿を規制した。今回の事件後も「日本企業は出て行け」といった書き込みが削除された。

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