軽度認知障害、握って早期発見…名工大など産官学の研究チームが「器用さ」測る機器開発
読売新聞 / 2024年9月21日 16時0分
産官学が連携して課題解決を図るプロジェクト「知の拠点あいち」の研究チームが、軽度認知障害(MCI)の早期発見や回復を支援する機器を開発した。小型で持ち運びやすいため、自宅などで気軽に診断や脳のトレーニングができる。研究チームは商品化も目指している。(乙部修平)
MCIは認知症の前段階の状態を指す。認知症の根本的な治療法は確立されていないが、MCIの段階であれば、脳のトレーニングなどで回復した事例が報告されている。このため、MCIの早期発見が重要となる。
研究チームが開発した機器は筒状で、湯飲みほどの大きさ。センサーやバッテリーが内蔵されており、タブレット端末の画面の指示に従い、木綿豆腐をつかむような100~500グラムほどの弱い力で強弱をつけながら握ることで、手の器用さを計測する。
計測は30分ほどで終わり、画面の指示と握る力に隔たりがあるなど、器用さが低下している場合、MCIの疑いがあるという。正式な診断は医師にかかる必要があるが、自宅などで利用することでMCIの早期発見につながると期待される。
また、研究チームは、機器を使ったトレーニング用のゲームアプリも開発した。機器を握る力の強弱で画面内のキャラクターを操作し、楽しみながら訓練できる。健康な高齢者14人が1日当たり10分、30日間ゲームを続けたところ、全員の手の器用さが改善されたという。MCIと診断された人にも効果があるかどうか検証する予定だ。
研究チームのメンバーで、偕行会リハビリテーション病院(愛知県弥富市)作業療法士の戸嶋和也さんによると、機器を使った患者や地域の高齢者からは「簡単に楽しく診断や訓練ができた」「データが記録され、回復の推移が分かる。訓練の意欲向上につながった」との声が聞かれたという。
機器を開発した名古屋工業大の森田良文教授(電気・機械工学類)は「病院で検査を受けるのは心理的にハードルが高いと感じる人も多いはず。自宅などでこの機器を使ってもらい、MCIの早期発見につなげてほしい」と話している。
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