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レスリング「金」文田健一郎、自分の父親だが「いい指導者に巡り合えた」…妻に救われ「メダル割ってあげなきゃな」

読売新聞 / 2024年9月21日 17時46分

笑顔でパリ五輪を振り返る文田選手(11日、読売新聞甲府支局で)=村岡拓弥撮影

 パリ五輪・レスリング男子グレコローマン60キロ級で悲願の金メダルを獲得した韮崎市出身の文田健一郎選手(28)(ミキハウス)が、読売新聞のインタビューに応じた。パリ五輪を振り返るとともに、支えてくれた家族への思い、今後の展望などについて語った。(聞き手 涌井統矢)

 ――金メダルを手にした時の思いは?

 うれしい気持ちよりもほっとした気持ちの方が大きかった。(銀メダルだった)東京五輪の悔しさを悔しいままで終わらせない、絶対にいかすという思いで戦った大会だったので、東京からの3年が価値のあるものだったと証明できた。

 ――山梨からの応援は届いていた?

 パブリックビューイング(PV)の様子もメディアを通じて伝わっていた。平日のすごく遅い時間だったのに、こっちが心配になってしまうぐらいたくさんの方に応援してもらい、力になった。

 ――夢をかなえて地元への 凱旋 がいせん

 東京で銀メダルを取った後もたくさんの祝福をいただいたが、『本当は金メダルを見せたかったし、みなさんも本当は金メダルを見たいって思ってるんでしょ』みたいにひねくれていた。金メダルを取れたことで、祝福を素直に受け止められるようになって、世界を見る自分の目が変わった。素直に感謝を伝えられる安心感があり、すごくうれしい。

     ◇

 ――韮崎工業高校レスリング部から2人目の金メダリスト。

 フリー、グレコローマン両方で金メダリストを出した高校は聞いたことがない。OBの方々がよく練習に来てくれて、毎日が出稽古のような環境。今回の優勝で、韮崎工業高校のレスリングを世界に証明できた。

 ――高校時代の監督でもある父・敏郎さんに伝えたいことは?

 『おとんのレスリングが世界一』という証明が、これでしっかりできたよと伝えたい。世界選手権で優勝しても、東京五輪で2番になっても伝えられなかった。米満先輩(ロンドン五輪レスリング男子フリースタイル66キロ級優勝の米満達弘さん)と合わせて二つの金メダル。自分の父親だが、いい指導者に巡り合えた。

 ――準決勝ではその父から教わった代名詞「反り投げ」を決めての逆転勝利。

 東京では投げ技を決められず敗れただけに、『やっぱりこの技か』という思いだった。ここ一番で出るのは『反り投げ』なんだなと、投げた瞬間に思った。

     ◇

 ――妻・有美さんと長女・遥月ちゃん。東京五輪後にできた新しい家族の存在も大きかった。

 自分一人じゃ起き上がれないような経験がたくさんあったが、妻がいてくれたから立ち直れた。メダルの50%は妻のおかげ。(メダルを)割ってあげなきゃなと思うぐらいに、妻が救ってくれた。娘のため、『世界一のパパになる』というのは自分への課題で、娘が見る試合では、絶対に負けたくなかった。達成できて安心した。

 ――今後の競技生活は?

 まだまだやめるつもりはないので、『まだあの人やってるよ』とたくさん思わせていこうと思っている。今の自分には自信があって、東京五輪後よりも強いと思っているので、娘が物心ついて、大人になっても覚えていられるようになるまで勝っていたらうれしい。

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