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石破茂氏の妻・佳子さん、夫からの電話に「支離滅裂な受け答えをしてしまって」…支援者と抱き合って涙流す

読売新聞 / 2024年9月28日 6時45分

インタビュー中、石破さんからの電話を取る妻の佳子さん(27日午後、鳥取市で)

 「最後の戦い」と誓って臨んだ27日の自民党総裁選で、石破茂・元幹事長(67)がトップの座をつかんだ。高い党員人気を誇りながら、過去4度涙をのんだ石破さん。決選投票での逆転勝利に、笑顔がはじけた。「腐らず努力してきたことが報われた」。鳥取県選出では初の首相となる見通しで、地元に喜びがあふれた。

ぶれぬ信念

 地元・鳥取市内のホテルでは、支援者ら約150人がテレビ中継を見守った。決選投票で勝利し、右手を上げた石破さんがスクリーンに映し出されると、会場は歓声と拍手に包まれ、妻の佳子さん(68)は支援者と抱き合って涙を流した。

 その後、報道陣のインタビューを受けている佳子さんに、石破さんから電話が入った。佳子さんは「お疲れさまでした」と夫をねぎらい、「取材を受けているところで、支離滅裂な受け答えをしてしまって……」と苦笑い。石破さんに何と言われたか尋ねられ、佳子さんは「総裁になったから頼むって」と笑顔で話した。

 「3度目ならぬ、5度目の正直」。そう喜びを爆発させたのは、石破さんの幼なじみで鳥取県議会議長の浜崎晋一さん(69)。「茂ちゃん」「晋ちゃん」と呼び合う仲で、少年時代は2人でプラモデルを作って遊んだ。「信念がぶれない人間。腐らず頑張ってきたことが報われた」と頬を緩ませた。

 派閥の政治資金パーティーを巡る事件などを受け、自民党は逆風のさなかにある。石破さんを支援する写真家の池本 喜巳 よしみさん(80)(鳥取市)は「良かったと思う半面、一番難しい時に重責を担う。山の頂上は風当たりが強いと言われるが、頑張ってほしい」と語った。

地元愛

 8月24日、石破さんが総裁選出馬表明の場に選んだのは、鳥取県八頭町の小さな神社だった。

 石破さんは慶応大を卒業後、三井銀行に勤務。自治相などを務めた父、二朗氏の他界後、盟友だった田中角栄元首相に強く勧められて政治家になった。地方に足を運び、人々の声に耳を傾けるのが好きで、公務の合間には地元の祭りにも顔を出した。同4日も、八頭町の「 はやぶさ駅まつり」に登場。「なるべくお金を落としていってください。あの、ゴミは落としていかんように」と地元なまりで会場を沸かせ、握手や写真撮影に応じていた。

 地元回りではノリの良さも見せる。2018年4月、同県倉吉市の「円形劇場くらよしフィギュアミュージアム」の開館式典では、人気アニメ「ドラゴンボール」のキャラクター「魔人ブウ」のコスプレ姿で登場し、出席者を驚かせていた。

鉄道オタク

 「鉄道オタク」としても知られる石破さん。同じく鉄道好きを自認する、教育無償化を実現する会の前原誠司代表(62)とは約25年間、党派を超えて親交を続け、各地の路線を一緒に巡った。前原さんは、「5回目の挑戦でつかみ取った総裁の座で、うれしかっただろう」と語った。

 総裁選で敗北を続ける石破さんが、「総理になれないから鳥取に帰る」と悩んだ時、前原さんが引き留めたこともあったという。新総裁に選ばれ、石破さんが涙ぐむ様子を中継映像で見て、「素朴で飾らず、喜怒哀楽が表情に出る。年下の私が言うのもおこがましいが、かわいい人。しばらく鉄道談議はお預けになるだろうが、国会では、正々堂々と建設的な議論を交わしたい」と意気込んだ。

地方創生

 石破さんは地方活性化がライフワークで、各地で地元住民らと交流を重ねてきた。この日の記者会見でも「地方を守るというスローガンのもとに努力をしたい」と力を込めた。

 地方創生相を務めていた15年、石破さんは、過疎化が進む鹿児島県鹿屋市の柳谷集落を1泊2日で視察に訪れた。当時、石破さんに集落を案内した男性(83)は、「フットワークが軽く、現場の問題点をしっかり理解できる人だ。地方や日本の未来を変えられると思う」と期待を寄せた。

逆転負けに落胆 高市氏地元・奈良

 2度目の総裁選に挑んだ高市早苗経済安全保障相(63)の地元・奈良県では、天理市内のホテルに後援会関係者や地元議員ら約120人が集まり、開票のネット中継を見守った。

 1回目の投票で高市さんがトップに立つと歓声と拍手が起こり、バンザイをする支援者もいたが、決選投票で逆転され、静まりかえった。後援会長で奈良トヨタグループ社長の菊池攻さん(65)は「3度目に向けて、めげずに頑張ってほしい」と語った。

票伸びずため息 小泉氏地元・神奈川

 小泉進次郎・元環境相(43)の地元・神奈川県横須賀市の事務所では、後援会幹部や秘書ら約40人がテレビで開票を見守った。落選が決まると、「アー」とため息が漏れた。

 父の純一郎元首相と、祖父の純也氏の秘書を務めた元県議会議長の牧島功さん(79)は、「再び総裁を目指せるかは本人次第だが、この敗戦は必ず将来につながるはずだ」とエールを送った。

本紙が号外発行

 読売新聞は27日、自民党新総裁に石破氏が選出されたことを伝える号外を約31万部発行し、東京や大阪、福岡などで配布した。

 東京都千代田区のJR有楽町駅前では午後5時頃から配布が始まり、通行人が次々と手に取っていった。中野区の男性会社員(64)は「石破さんには、防衛・外交の面で他国としっかり 対峙 たいじしていってほしい」と話した。

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