知人男性を大和川に転落させ殺害容疑、背中のリュックには鉄アレイなど７キロの重り

大阪府警察本部

　知人男性を川に転落させて殺害したとして、大阪府警は２７日、同府富田林市、無職井上司容疑者（６１）を殺人容疑で逮捕した。井上容疑者は男性の生命保険金の受取人になっており、府警は保険金目的とみている。井上容疑者は調べに「殺していません」と容疑を否認している。

　発表では、井上容疑者は昨年１２月４日頃、同府柏原市の大和川河川敷で、知人の八尾市、無職池田明弘さん（当時６３歳）を何らかの方法で川に転落させ、溺死させた疑い。池田さんの遺体は同１５日に約５００メートル下流で発見され、池田さんの自転車も現場の川底で見つかった。池田さんはリュックサックを背負った状態で、中に鉄アレイなど７キロ分の重りが入っていたという。

　その後の捜査で、井上容疑者は池田さんの生命保険金を受給しなかったものの、事件の約１か月前から受け取り方法を保険会社に確認していたことが判明。消費者金融などに１０００万円以上の借金があり、事件前の同３日に鉄アレイなどを購入していたという。府警は、池田さんに自殺する動機がないことも踏まえ、井上容疑者が殺害したと判断した。

　井上容疑者は池田さん名義のキャッシュカードで口座から現金約１６万円を引き出したとして、今月１７日に窃盗容疑で逮捕されていた。府警によると、２人は３０年来の知人関係だったという。井上容疑者は逮捕前、読売新聞の取材に「池田さんが亡くなる直前まで一緒にいたが、何もしていない。容疑者扱いされて迷惑だ」と事件への関与を否定していた。