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仮設に家族6人で入居間もないのに…姉が大雨で不明、弟「元日の地震なければ」「ただいまと言って」

読売新聞 / 2024年9月28日 15時0分

中山美紀さんの捜索現場で消防から説明を受ける弟の真さん(右)(25日、石川県能登町で)=宮本悠希撮影

 石川県の能登半島北部を襲った記録的な大雨による災害は28日、発生から1週間となった。これまでに10人の死亡が確認されたほか、輪島市で1人が遺体でみつかり、県警が大雨との関連を調べている。行方不明者や連絡が取れない人も複数いて、28日も早朝から各地で捜索が行われた。

 石川県輪島市町野町の中山美紀さん(31)が流されたとみられる町野川では、28日も捜索活動が行われた。消防や警察などが120人態勢で、同市から能登町にかけて、川の周辺の田んぼや流木がたまっている場所を捜した。家族は「いつものように『ただいま!』って帰ってきて」と願う。

 美紀さんは21日午前6時頃、家族で住む仮設住宅を出ると軽乗用車で穴水町の職場に向かった。雨が激しくなっていた正午頃、弟の真さん(28)が心配になり、電話を数十回かけたが通じなかった。24日朝、消防からの連絡で、車だけが能登町の山道で見つかったのが分かった。

 車のドライブレコーダーには、車を降りて逃げようとする美紀さんの姿が映っていたという。職場は退勤しており、仮設住宅に戻る途中だったとみられる。父・勇人さん(62)は「どうにか連絡を取ろうとして急いで高台を目指したんだと思う」と話す。

 美紀さんは家事を手伝いながら、能登町の病院で清掃業務などに従事。元日の能登半島地震で職を失ったが、今月から穴水町内で清掃員の職を得て、「働ける。よかった」と喜んでいたという。避難生活は6月上旬まで続き、やっとの思いで仮設住宅に家族6人で入居。全壊の自宅の解体も決まり、建て替える予定だった。

 弟思いの姉で、よく一緒にドライブや映画に行ったという。真さんは「お日さまのように明るい姉。何もしてあげられなかったのがつらい。諦めたくない」と話す。勇人さんは「元日の地震がなければこんなことにはならなかった。いつものように玄関から顔を出して『ただいま!』と言ってほしい」と声を絞り出した。

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