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自分をへたくそだと思え…巨人・阿部監督からの厳格な教え、井上温大「ちゃんと見てもらっている証拠」

読売新聞 / 2024年9月29日 12時0分

今季、躍進を遂げた井上(左)と阿部監督

[新風]巨人・阿部慎之助監督

 27日に東京ドームで行われた中日戦。巨人の阿部監督が、二回を投げ終えてベンチに戻った井上 温大 はるとに歩み寄った。登板中の先発投手に熱心に助言するのは、そうあることではない。「投球だったり、配球だったり、僕が経験したことを教えていた」そうだ。

 優勝の行方を占う一戦で、高卒5年目の左腕は5回無失点と力投。一回二死満塁のピンチを切り抜けるなど、走者を背負っても粘った。今季最多に並ぶ9奪三振。重圧のかかるマウンドで、勝利に貢献した井上を、監督は「序盤、コントロールに苦しんだけど、試合を作ってくれた。100点です」と手放しで褒めた。

 井上は群馬・前橋商高からドラフト4位で2020年に入団。阿部監督が現役生活に区切りをつけ、二軍監督に就任した年と重なる。「自分をへたくそだと思え」。厳格な指導を胸に刻みながら、地力を蓄えた。21年5月に左肘を手術し、育成選手契約を結んでリハビリも経験した。もがき、苦しんだ姿も見てくれていた。

 ファームで培われた師弟の絆は、舞台を一軍に移しても不変だった。調子の悪い変化球に固執すると、指揮官は「操れない球を投げている。そこを見切って違う球種でいったりとか、そこも勉強」と苦言を呈した。好投していても、ベースカバーを怠ったとして、雷を落としたこともあった。

 阿部監督は「インコースを思い切って攻めろ」と口酸っぱく繰り返した。試合前練習や遠征先の宿舎など、熱血指導に時間や場所は関係ない。150キロに迫る速球で右打者の内を突き、左打者の懐に食い込むツーシームを駆使できるようになり、大器は一気に開花した。

 7月3日の地元・前橋での 凱旋 がいせん登板で8回無失点の快投を見せると、そこから自身5連勝。過去2年で1勝だったが、先発ローテーション入りし、8勝を積み上げた。

 「将来できるだろうなと思っていたけど、こんな早いとは」。秘蔵っ子の成長は、阿部監督の想定を超えた。23歳の井上は言う。「厳しい言葉は、ちゃんと見てもらっている証拠。期待に応えたい」。手塩にかけた若い力が、新生巨人を支えている。(平山一有)

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